20200904|創造力の実体?

先月の配信ライブを終えて、鹿児島の徳田さんとの共同CDの制作にラストスパートを掛けているこの頃です。このような作品やコンテンツを創作する時には、必ず色んな種類の「聴く」という過程を積み重ねていくのですが、そこで問われる大きなテーマの一つに、深い所に張り付いた感情や価値観に向き合うことがあります。

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その中で特に興味を持っているのは、”肯定する”ことと”赦す”ことの2つの感情の動きです。この文章の中で説明することは難しいものですが、強いて言えば、即興をするときの一番核になる感情と言っても過言ではないし、これらは1曲の音楽や1枚の絵などから直接「感じ取る」ことができるもので、もはや芸術の特権なのではないかと思えてきます。

その過程で、人間の気持ちはさておいて、という冷酷な感情を持ってしまう時も出てくるので、自分のバランスが崩れてしまう危険性に気を配らなければならないですが、実は見えない所で、それほど繊細な心の動きと闘争をしているのが、創造力の実体かもしれません。

それでも、こんなに冷たい感情さえも振り切ってしまうくらい、乗り越えた先に見れる景色を心から楽しみにしている気持ちの方が勝ってしまうのは、人間の”さが”なのだろうなと感じています。

20200829|青い夜がまっしろにきえてゆく音たちを知っている

この夏にレコーディングした曲たちは、冬にリリース予定のピアノソロアルバムになります。それはCDではない媒体で発表することになるかもしれませんが、そこに散りばめたテーマや込めた想いは、間違いなく僕自身の今を表現する作品になります。その作品の中心となる絵を、同じ宮崎県延岡市出身で神戸にお住まいの堀川智美さんに描いて頂きました。

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堀川智美さんのインスタ→@h_tomomisan

僕が生まれた宮崎県延岡市は、現地の人が「陸の孤島」と表現するくらい外から訪れるのに距離が遠く感じる街です。でも山も海も近くて、気候も良くて食べ物も美味しい豊かな街です。今は神戸に住んで16年目になりますが、こちらで同郷の人に出会うことは滅多にありません。たとえ同郷の人であっても、表現を仕事にしていること、さらにその感度が近しい人に出会うことは、天文学的数字に近い(少し大袈裟)とさえ思いますが、ともみさんはその人で、衝撃的な出会いになりました。

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きっかけを作ってくれたキーワードは鹿児島でした。僕がSNS映えとか気にせずにやっているInstagramに鹿児島でのお仕事や記事を書いて、気まぐれにハッシュタグをつけたりしていた所、そのタグから偶然僕の記事を見つけて下さる方がいて、その方がともみさんでした。プロフィールから絵を描く人であること、宮崎から神戸に住んでいらっしゃることが分かったので、気になってやりとりを始めたのが最初です。

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ともみさんは、青を描く抽象画や心象画をたくさん描き、真鍮の作品も作ったりされます。僕も自分の音楽に青が重要なファクターとしていつも存在している1人なので、そのタッチ感やスピード感、感性の捉え方や余白への向き合い方、そして何より青である理由の置き所に、音と絵の媒体を越えて、すっごくピントが合いました。

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そんな青の人が、僕の音楽から紡いで頂いた作品は、白になりました。白と言っても、表情が変わる白。実際の作品を見ても、光を当てても、その意味が変わってくる色味です。

例えば音楽の世界では、特にロジカルな部分で感性を表現しようとして使われる言葉の一つに「音色」があります。楽器の音色とか、音階のカラーリングとか、ドビュッシーの音楽でも印象派と繋げるために使われたり。でもこれらが「何かを説明しているように見える雰囲気のいい言葉」になってしまっていることが多いと感じます。何かを説明しようとして説明できていない言葉のひとつであり、実は論理的な思考と感覚の絡みあった先にある「something 何か」を紐解いていくための手懸りにもなるものだと感じています。

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このあたりのテーマと、ともみさんと僕それぞれの感性も含めた作品や表現企画を冬にしようと動き始めました。是非色んな形で色んな方に届くといいなと思います○

ちなみにこの記事のタイトルは、原田郁子さんの曲「青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている」から引用しました。この曲は、トリオでもベースを奏でて下さっている水谷浩章さんがリーダー&アレンジをしたバージョンで、アルバム「ケモノと魔法」に収録されています。

20200826|今日は100BANホールで取材

現の場としての100BANホール、個人の練習や憩いの場所としての100BANスタジオ。どちらもが入る高砂ビルは、音楽以外の事務所や団体にも多く利用されています。

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利用者が普段どのような活動をされているのかであったり、歴史と趣きのあるこのビルをどのように活用しているのかであったりをまとめた、高砂新聞(仮?)がこの秋に初めて発刊されるようです。

今回は100BANホールのことを取り上げた記事取材ということで、6階に事務所を構えるリベルタ学舎さんによる取材を、施設の管理をする李さんと一緒に受けてきました○

また、音楽以外の目的で使われる方にお会いしたり、普段使うことのない部屋などを見ることもできて、まだまだ知らないことがたくさん〜。このビルの謎、いや魅力は深まるばかり。

8/10ライブの再配信のお知らせ

8/10に100BANホール行われた日吉直行 × 小美濃悠太 ≪線上ライブ≫ "ongen!"の配信動画を編集して、再配信することになりました!

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日付変わって8/26水曜の夜12時から9/30までの1ヶ月間の販売となります。

お互いのソロ演奏やオリジナル曲の演奏、音楽についてのお話や配信についての話など、盛り沢山の2時間ですので、前回購入することが出来なかった方や新たに体験されたい方など、お聴き頂けると嬉しいです。

*ぜひヘッドホン・イヤホンで聴くことをお勧めいたします。全く違う音世界が聴こえてきます。

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【チケットのご案内】

◾️チケット料金
¥1,000

◾️チケット購入はこちら
URL|https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01k50q1160f7i.html

✳︎購入後に配信動画のURLが届き、無期限でご視聴いただけます。

■配信ライブチケット発売期間
2020/8/26(水) 00:00 ~ 2020/9/30(水) 23:59まで

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【詳細】
2020年8月10日 @ 100BANホールでのライブ配信映像(YouTube

piano|日吉直行
contrabass|小美濃悠太

録音|五島昭彦 (Time Machine Record)
動画|吉成聡志
調律|鈴木優子
動画スイッチャー|栗山覚

【お問い合わせ】
meisourecord@gmail.com(瞑奏録音)

20200820|空気があつまる人たち

昨日は5ヶ月ぶりに滋賀の安田さんのお家へ。

安田さんは、滋賀を中心に学生の軽音楽文化を先頭に立って切り開き、今でもまるで開拓者のように広げているスーパー先生。ご自身でもピアニストとしてライブ活動したり、五島さんとはジャズスクール時代からの盟友(?)だったりします。5年くらい前に1回お会いしてたのが判明しましたが、お互いにその時の記憶を思い出せず、ずっとお会いしたかった方でした。先生の纏っている空気には自然に人と徳を集める力がある、そんな方です。

そんな安田さん宅にて、僕がずっとお会いしたいなぁと思っていた唄い手の木原鮎子さんとの対面も五島さんの引き合わせで実現しました。

鮎子さんはもともとジャズのフィールドで活動されているのですが、今は余呉に家族でお住まいで家を自由に改築したりしながら、子供たちからご年配の方まで幅広く接する音楽活動をされています。

話した瞬間から感じたのは、鮎子さん自身が話してくれた生い立ちや今の生活の中に音楽の感性を移動できる数少ない方で、ジャズの枠に留まらない大きな空気を纏っていることでした。

2曲ほど初顔合わせで音合わせを。素晴らしかったー。マイクを通さずに歌った彼女の声が話している時と同じ空気で、その純粋さと誤解の無さが大きな音楽を作っているんだなぁと演奏しながらしみじみ感じました。

今は色んな情勢で場所の制約や時間の制約などがあったりしますが、そんなものは小さなこと。ずっと温めていた音楽をこれから一緒に作っていこうと思います○

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先生のお家にあるスペースではこれまでに、谷川賢作さんと続木力さんのユニット パリャーソのライブがあったり、綾戸智恵さんのライブでは水谷浩章さんがベースを弾いたり、池長一美さんがドラムを叩いたりとたくさんのミュージシャンが出演してきました(壁にたくさんのサインがある)。

前回訪れたときは、3月あたまでまだピアノは無く、五島さんのでっかいスピーカーの設置を手伝ったんですが、なんと今回はオーバーホールされて帰ってきたニューヨークスタンウェイのピアノがありました。そもそも自宅にあるのがすごい。

五島さんは巨大なスピーカーの配線や設置をしてましたが、少し配線の位置を変えるだけで音が変化する繊細さと作り手や弾き手の感情の動きまで直に伝わってくる音の迫力が想像以上で、こんな環境で音楽に触れる日々はどんな感じなんだろうと思いを馳せたりしました。

また奥様も交えながら音楽の話をしたり、先生の息子さんも音楽をしているので、彼がライブでシャウトしてる動画を見たりピアノを弾いてくれたりしました。話し方もしっかりしていて頑固さもあるし、伸びしろしか無いなぁ。是非一緒に音楽の世界を作りましょう😁

20200813|先日の配信ライブの動画一部公開とお知らせ

今僕たちが取り組んでいる配信ライブの世界がどのようなものなのか。

先日の≪線上ライブ≫ "ongen!"の配信ライブを販売期間の短さで見逃した方や新たに見たい方が結構いらっしゃったので、ぜひいろんな方に知って頂くためにも編集した配信動画を再び販売することになりました!動画では、ライブでしか語っていないことやお互いのソロ演奏も含めた充実した演奏が収録されています。詳細は近日、各SNSなどでお知らせいたします。

また、より配信の世界を楽しんでいただくために、ライブ動画の中から2曲ほど無料公開することにしました!

五島さんの表現する録音家としての音世界、吉成さんの動きのある映像の世界、優子さんの新たな響きを求める調律の世界、そして100BANホールの空気感。そこに僕と小美濃くん2人で紡いだ音楽があります。

是非、すべてを体感して頂きたいです。

この日の配信ライブは、みんなで「配信でしかできない表現」というのを追求した作品になっています。生演奏も配信の壁も超えて"響く音"を届けるために、是非ともこんな音楽活動をしている人たちがいると広めてくださると嬉しいです。

公開する2曲はそれぞれのオリジナル曲で、この日演奏した曲はたくさんあるけれど象徴的だったものを取り上げました。

1つは、長野県安曇野在住の詩人 ウチダゴウさんの詩のタイトルを元にした僕のオリジナル曲『A PLACE WHERE HE LIVES』。

もう1つは、小美濃くんの2012年のオリジナル曲『After All "み"』。

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日吉直行 × 小美濃悠太 ≪線上ライブ≫ "ongen!"
2020年8月10日 @ 100BANホール (兵庫・神戸)

piano|日吉直行
contrabass|小美濃悠太

録音|五島昭彦 (Time Machine Record)
動画|吉成聡志
調律|鈴木優子
動画スイッチャー|栗山覚

©瞑奏録音

20200812|ライブを終えて、まずはざっくりと。

日吉直行 × 小美濃悠太 ≪線上ライブ≫ "ongen!"(の音空間)にお越し頂きありがとうございました!

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今回初めて会場にゲストを入れて、同時に有料配信のライブもするというチャレンジをしてみました。特に今は生演奏を聴きに来るという方がリスクがある形になってしまったため、配信で楽しんでくださった方も多くいらっしゃいましたし、わざわざ遠方から来ていただいたりもして、とても嬉しいライブになりました。まずは御礼を申し上げます。

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小美濃君とは初共演でした。演奏後に二人で話したり、感想でも多く頂きましたが、間違いなく僕らの呼吸が合っていて、最初の音を出した後の空気で、もう「うまくいくな」と感じていました○

ピアノとベースのデュオというより、ピアノとコントラバスのデュオという方が正しい表現で、編成的にもジャズ的になりがちなデュオの在り方にはお互い目もくれず、ただひたすら音楽の存在感と方向性を見つめながらのあっという間の2時間で、まさにongen!というタイトルのイメージの音空間になったなぁと思います。

セットリストは下の方に載せていますが、お互いのオリジナル曲を中心に、それぞれが身体に入れてきた音楽を1つずつ話しながら、ポーランドのジャズ周辺や台湾の歌、インドネシアの歌などを演奏しました。

終えた後の質問で、どうやって演奏しているのか聴かれましたが、僕の中のすべてが連動した結果の表現になったりしているので、個人的にはココを言葉にするのが難しかったなぁと思いました。

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ライブでは、生演奏と配信についての僕の考えを少しお話させていただきました。「生演奏でしか体験できないこと」「配信でしか体験できないこと」どちらにもまだまだ実現したいことが沢山あります。

特に今僕たちが作っている配信の世界観は、録音家の音に対する感性と音楽家の感性や調律家の感性との対話空間になっていて、イヤホンやヘッドホン(ヘッドホンの方が耳には優しい)で聴くと、より「人間の耳では聴こえてこなかった音たち」が聴こえてきます。この音たちが特に配信にしっかり収められています。「聴こえてこなかった音たち」というのは、録音家や調律家が音楽家以上に「聴いている音」のことで、これまでの彼らとの対話で感じてきたことでもあります。

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また今回の配信では、映像表現に関しても突っ込んだ試みをしました。僕らの配信のテーマである「配信でしか取れない映像」を収めるために、カメラマンが舞台上を出演者のように動きながら撮ってもらい、その他の固定カメラでも今考えられる配信ならではの映像を撮ることにチャレンジしました。特にゲストがいる生演奏の空間で一方の世界観も表現することになるので、生演奏を見る方たちにもそういう表現を目指していることを音楽家自身の言葉で語る必要があると思い、最初に話をさせていただきました。

今回の試みはとても意味のあるものになったとみんなが感じていて、体験された方にいろんな意見を伺いながら、今後一部を無料公開、編集映像を再配信することも合わせて検討しています○

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今の僕らは表現者だけでライブを作り上げているので、人手も予算も思うように割けないのですが、種々の助成金など増えてきたので、もちろんそれらを活用してこれからの活動に弾みをつける時があるとは思います。しかし僕が興味があるのは、今だけを乗り切る一時的な音楽活動ではなく、自分たちの音楽でも手持ちの機材でも今の世の中で音楽活動が継続できることの方です。「音楽家が音を出したい」と思わなくなったら、音楽家という職業や環境は消滅しますし、それは一時的なお金では解決できない問題です。このように今の「音楽の在り方」に色々想いもあるのですが、本当に僕らの音楽に対する情熱を受け取ってくださる方々の支えが救いになっています。そして、「こんな音楽活動をしている人たちがいるよ」とこそっと広めて下さると嬉しいです。

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そしていつも感謝してもしきれないのが、こういう僕たちの試みの場を快く提供してくださっている100BANスタジオの皆さんです。いつもありがとうございます。この情勢の中で音楽家の表現や技術向上ができる場になっていて、音楽活動を続けられる喜びを毎日噛み締めているところです。

ソーシャルディスタンスが叫ばれる中、僕らが求めているものは、"密"な音とココロの距離です。それは、これからの生演奏空間にも配信空間にも求められるものであり、コロナ以前と実は変わらない音楽の在り方でもあります。"響く音"を近くても離れても届けられるように、日々音楽づくりに邁進していきたいと思います。

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2020.8.10. at 100BANHALL

日吉直行 - piano
小美濃悠太 - contrabass

五島昭彦 - recording&sound
吉成聡志 - movie
鈴木優子 - piano tuning
栗山覚 - help


【セットリスト】
1. Blinking (Naoyuki Hiyoshi)
2. After All "み" (Yuta Omino)
3. Maboroshi (Naoyuki Hiyoshi)
4. Palhaço (Egberto Gismonti)
5. 実在しない民謡 (Yuta Omino)
6. tobali to hibari (Naoyuki Hiyoshi)
7. A PLACE WHERE HE LIVES (Naoyuki Hiyoshi)
8. Rosemary's Baby (komeda)
9. 月亮代表我的心 (孫儀 / 湯尼)
10. 蒼い夜、歩く人 (Naoyuki Hiyoshi)
11. BENGAWAN SOLO (Gesang Martohartono)

20200806|日々と機微

この数日は、同世代で言葉に力がある方と詩人、とコミュニケーションをとっていました。
そもそも日常生活で"詩人"とメッセージのやり取りをするなんて、こういう仕事をしている特権なんだと思いますが、特にメッセージのやり取りに発見や反省が多い日々です。
とある言葉に力のある方が言いました。これまでぼくらは、日常生活を"過信"していたのではないか、と。
とある詩人が言いました。相手への勝手な期待は着火の元だ、と。
これはコロナを経験した人間には身に染みる言葉です。その存在は過度に怯えることにもつながり、衝突を生み出してしまう元にもなってしまうのではないかと想像されます。
先の見えない状況に暑さも相まって、赦すことを忘れた僕たち。罪を憎んで人を憎まず。本当に、初心忘るるべからず。
発見と反省でした。

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20200804|赤い空、歩く人。青い夜、駆ける音。

先月から続いているピアノソロアルバムと映像音楽のレコーディング。

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表現する録音家の五島さん、鍵盤の声を聴く調律家の優子さん、100BANホールと李さん、そしてピアノ。幻の1回を含めて、全3回。

夜からスタートして、朝、空が赤くなるころに帰る。みんなで青い夜を駆け抜けました。

当初1回でさらっと終わる予定が、ハプニングが起こり、結果的にこれまで体験したことのないスイッチが入りました。3回とも過程で思ってもみないことが必ず起こり、でも録音演奏中はただひたすら情に向き合って。探し求めているメロディを発見し、自分の中に流れていたリズムに乗って、ハーモニーを先に進めました。

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五島さんとの対話は、お互いが「厄介者」であるのを自覚しているので、演奏中も普段もいつも緩やかな丁々発止。音楽の底にある"聴く"って何ですか ― 今なら僕は結構答えられる気がする。そんな気持ちを持って帰ってきたレコーディングでした。

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優子さんとは、未知のものを手探りで一緒に探す旅に出ました。僕は「ピアノを調律する」=「ピアノの音が綺麗になる」という式に昔からとても違和感を持っていて、。でも、一般的に調律といえば整えるイメージですから、そう勘違いされるのも無理はないです。だから今回のピアノの調律には、「雑なもの」をたくさん詰め込みました。ちょっとした仕掛けと大きな期待も合わせて。

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技術者と言われてきた録音"技師"や調律"師"は、これからの時代は録音家、調律家として、音楽家とともに作っていきます。そこにヒエラルキーは存在しないのが、僕の直観でもあり確信です。

最後に忘れてはならないのが、空間を貸してくださった100BANホールと李さん。普段の練習から新しい試みまで、いつもありがとうございます。

常に付き纏う不安定な空気を、少しずつ搔き分けていきます。

8月10日のライブについてのご案内

【瞑奏録音ライブシリーズ】
≡|日吉直行 × 小美濃悠太 ≪線上ライブ≫ "ongen!" @100BANホール(兵庫・三宮)|≡

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楽家 日吉直行の主催する瞑奏録音のライブシリーズ。今回はピアノとベースのデュオ。東京で活動し、ポーランドや台湾などで演奏活動も繰り広げているベーシスト小美濃悠太さんをお迎えして、お互いのソロ演奏やオリジナル曲などの演奏、共通項である台湾やブラジルの音楽についてのお話や配信についての話などを交えながらのライブになります。
また、会場でのライブ演奏に加え、有料配信を予定しています。配信の音を担当するのは、これまでに様々な音楽を録音し、音楽家以上に”音楽を表現する録音技師”であるTime Machine Recordの五島さんが担当予定ですので、ライブ会場の音とはまた違う、”配信ならではの音世界”を楽しんで頂けたらと思います!

■出演
演奏|日吉直行(piano) 小美濃悠太(bass)


■スタッフ
配信の音と録音|五島昭彦(Time Machine Record)


■詳細
日時|2020年8月10日(月・祝)
時間|開場13:30 開演14:00
会場|100BANホール(神戸市中央区江戸町100番地高砂ビル2F)
WEB|http://100ban.jp/


■配信での視聴について
以下は、8/10配信ライブ専用チケットのご案内になります。
以下のURLをクリックした後、目的のチケットを購入されてください。
購入後、開催日の1~2日前に、メッセージにて配信ライブのURLが届きます。

URL|https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01n2ve11498tc.html

チケット発売期間|8月1日(土) 0:00 ~ 8月10日(月・祝) 12:00まで
配信時間|14:00ごろ~16:00ごろ

*当日のライブ開始直前は、様々な準備や対応があるため、購入期限を当日12:00までとさせていただきます。

*配信URLについて…YouTubeの限定公開URLであるため、ライブ当日の生配信を逃したとしても、後から何度でもご視聴いただけます。

*当日の状況によっては、様々なことが変更を余儀なくされることも考えられ、「急なURLの変更」になる可能性もあります。その際は、なるべく早くメッセージを送信させていただきますが、温かく見守っていただけると幸いです。


■料金
①ライブを会場で見る場合…¥2,000+チップ(投げ銭) / 学生料金(中学生以上)¥1,500 / 小学生以下無料

②配信で見る場合…¥1,000+チップ(投げ銭)
配信ライブの料金は1,000円になります。また、ライブへの期待や音楽家への応援の意味も込めて、3種類のチップ(投げ銭)チケットもご用意していますので、併せて購入することができます。もちろん配信ライブチケットのみの購入でも構いません(*配信ライブチケットを購入せずにチップチケットのみ購入することはできません)。

A 配信ライブ専用チケット ¥1,000 / 1枚
B 配信ライブ専用100円チップチケット ¥100 / 1枚
C 配信ライブ専用500円チップチケット ¥500 / 1枚
D 配信ライブ専用1000円チップチケット ¥1,000 / 1枚


■配信での決済方法
クレジットカード決済とコンビニエンスストア支払いから選べます。


■配信チケットの申し込み方法
Yahoo! JAPAN IDでログインして申し込む場合
〇 申し込み完了後チケットのURLが記載されたメールが届く
〇 購入済みのチケット からチケットが表示できる
〇 PCで買ってスマホで表示するなど、デバイス違いでも表示できる
〇 クレジットカード決済/コンビニ決済が利用できる

②ゲストで申し込む場合
〇 申し込み完了後チケットのURLが記載されたメールが届く
△ 購入時と違うブラウザで開く際はパスワードを入力
× 購入済みのチケットなし(ログインしていない為マイメニュー自体なし)
× コンビニ決済の利用不可(クレジットカード決済のみ利用可能)

※決済完了後のタイミングでチケットのURLが届きます。
※ゲスト購入のパスワードは購入者自身が申し込みの際、設定します。


■ご予約・お問い合わせ
meisourecord@gmail.com(瞑奏録音)
078-331-1728(100BANホール)

※本公演の座席数は【50席】です。
※100BANホールでは「コロナウィルス対応ガイドライン」を新たに設け、ライブを再開しました。ホールの対応とお客様へのお願いをまとめておりますので、ご来場の前にご覧ください。

http://www.100ban.jp/posts/20200609coronaguidline_100banhall/


■プロフィール
Naoyuki Hiyoshi|日吉 直行

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『皆さん、要注意です。柔和な頼りなさそうなこの顔にだまされないでください。この男、いったん弾かせると「おぬしなかなかの使い手 油断ならぬな」に豹変します。』(文:谷川賢作

楽家。1986年7月30日、宮崎県延岡市生まれ。現在は兵庫県神戸市在住。神戸大学発達科学部人間表現学科・同大学院を卒業後、御縁のある各地に拠点を構えている。ピアノの即興演奏から紡がれる枠に囚われない自由な発想と音遣いは、作曲との境目を漂いながら、”ありそうでなかった音楽”を奏でる。近年は、自身の主催する「瞑奏録音」でのライブ企画&演奏活動や映像音楽の制作などの創作活動の傍ら、小・中学校での演奏や音楽以外の様々な分野との交流を通して、音楽の在り方や新しい音楽の学びを探求している。


小美濃 悠太(おみの ゆうた) ―Contrabass,Electric Bass

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1985年、東京生まれ。一橋大学社会学研究科修了。幼少の頃より続けていたエレクトーンを通じてジャズに出会う。高校に入学後、ジャズを演奏できる楽器を習得するために吹奏楽部に入部。コントラバスとエレクトリックベースを平行して学ぶ。大学進学後、千葉大学モダンジャズ研究会に入部。本格的にジャズを学び始める。在学中から演奏活動を開始し、現在は東京を中心に首都圏全域で活動している。サックス奏者 臼庭潤のバンドへの参加を皮切りに、日本を代表する数々のジャズミュージシャンとの共演を重ねる。ツアー、レコーディングへの参加は枚挙に遑がない。またジャズ以外のフィールドでも、世界的なボサノバシンガー・小野リサの中国ツアーや、日本を代表する雅楽師東儀秀樹と、世界的なバイオリニスト古澤巌による全国ツアー、フランスの誇るバイオリニストFlorin Niculescuの国内ツアーなどに参加。大竹しのぶ主演「ピアフ」、山本耕史主演「ヴォイツェク」、昆夏美 伊礼彼方 廣川三憲主演「星の王子さま」など、ミュージカル・音楽劇での演奏も多数。自身のプロジェクトとして、2015年にはピアノトリオ”Tre farger”の1stアルバムをリリースし、全国ツアーを成功させる。翌年2016年にはライブ録音の2ndアルバム”Live at The Glee”も発売。Tre fargerを通じてヨーロッパのアーティストとの交流を深め、2017年にはポーランド人ドラマーAlbert Karchとの共同プロジェクトで日本ツアーを成功させた。2018年にはCopenhagen Jazz Festivalに自身のカルテットで出演。また帰国後も再び日本ツアーを成功させた。同年、Copenhagenで出会ったLo Ersare(vo,banjo)、旧知の大森聖子(piano)とともにレコーディングおよび日本ツアーを行い、コンサート限定でのアルバムをリリース。2019年にはコペンハーゲンでのレコーディングを行い、11月にフルアルバム”tiny big”をリリース。ジャズベースを山下弘治氏、アルコ奏法を高西康夫氏、斎藤輝彦氏に師事。