20210306|本日は結婚式の演奏

午前中は、京都・桂川にあるフォトスタジオUmoreにて結婚式の演奏でした。ここで弾くリクエスト以外の曲は、いつもその場で決めていて、時には楽譜を持たずに全編即興で望んだりします。

結婚式の演奏というのは、ガチガチにリハーサルをしたり選曲したりする世界。もちろんこのルールが常識になっているのは理解している一方で、学生の頃から演奏する度に曲と形式に縛られる不自由さを感じていました。

きっと自由にする結婚式があってもいいじゃないかと思っていた時に同じ想いで出会ったのがUmoreの皆さん。司会者の声もマイクを通さなかったり、進行も状況によって変わっていく中で、耳を澄まして、空気を察知しながら曲と即興演奏で音を紡ぐ仕事です。ピアニストとしても新鮮で緊張感がありますし、毎回真っさらな状態でいることが何よりも重要です。

移動の電車では、今日は何を弾こうかな〜とぼんやり考えていましたが、そういえば先日の那須さん&伴さん対談のときに聴いた曲がとても良かったし、今日の式の雰囲気に合いそうだから弾こうと思い立ったものの、肝心のミュージシャンの名前を聴き忘れてしまっていました。何とか音の記憶を辿って鬼リサーチ。そこからイギリスのフォークシンガー&フィドル奏者のJackie Oatesさんに辿りつき、耳コピして、式で演奏してみました。予想通り曲の雰囲気も今日の新郎新婦さんの作る空気に合っていて、ホッとひと息。素敵な式をお手伝い出来てよかった☕️

写真は、最近の楽譜の置き所。f:id:naoyuki0730:20210306185356j:image

20210302|鈍色の雨

今朝から降り頻る雨の中、今日は京都へ。

法哲学者の那須耕介さんと職人 伴智一さんとの座談会でした。これまでの、そして僕なりに日々更新している音楽へのまなざしと想いを、「物語から抜け出してきた人たち」と其々の共有感で、育てたり、表現したり、対話したりしながら形にしようとあれこれしている日々。

最近の『冬樂奏』企画もそのひとつなのですが、さらにぐっと強く、次の世界へと大きく足を踏み出せた、そんな日になりました〜♨️

写真は、那須さん宅に忍んでいた憂歌団のレコードに入っている、相倉久人さんと怪しかった頃のタモリさんとの貴重なライナーノートの対談。1970年代後半なんですね。

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20210227|感覚は誤解と希望に満ちている。

ここ数日で、今年最初の冬の空気が閉じかかろうとしています。

今日は、『冬樂奏』で白い作品を描いてもらった、画家の堀川智美さんと1回目の対談座談会をしました。

智美さんが絵を描く際に感じている、青や白のような「色」を「配置する」感覚は、音楽を奏でる瞬間にも恐らく等しく存在しています。

それは創作者だけのものではないのですが、ある意味での期待と誤解ゆえに扱いづらくなってしまい、難しさを感じています。

それでも、ボーダーを越えた、<先にあるもの>をクリエイトするための機会として、とても有意義な一日になりました〇

そういえば、僕がいま即興的に紡いでいる『冬樂奏』企画では、「音楽が音楽らしくあること」や「絵画が絵画らしくあること」をまったく必要としていません。

それは、「言葉」の世界でも、「ものづくり」の世界でも同じことになるだろうと想像しています。

肝になるのは、"感覚"のおはなし、なのです。

この一連の『冬樂奏』創作では、関わって下さる表現者だけではなく、その受け取り手との摺り合わせを含めた作品作りを期待しながら、「生々しいやり取り」を記録していきます。

最近は、このように次の<冬>に向けて、整理しています〇
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友人に、京都・一乗寺のけいぶん社で書店員をしている鎌田裕樹くんという方がいます。

彼とは京都に行くとよくお会いするのですが、本や言葉と共に「生きる」ことを常に考えているような人物で、若干20代後半でありながら深く文化と付き合っている姿を、とてもリスペクトしています。話をしていても楽しい(^^)

最近はどうやら農業に夢中のようで、数学者の森田真生さん(この方の本も是非手に取って頂きたい)との企画など精力的に活動されています。

そんな彼は、博報堂が発行している雑誌『広告』の最新刊「特集:流通」にて文章を寄稿しています。

パッケージもユニークなのですが、「流通」というテーマ通り、その本が書店に並ぶまでの流通経路が細かく表紙に記載されています。

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― 「よい本」が生まれる環境を、出版流通から考える ―

というタイトルで、本と流通との関係を通して見えてくる、これまで彼が見てきた世界とその未来について言葉を綴っています。

個人的には、よくも「よい本」という危険なワードに手を付けたなぁと思いましたが(笑)、彼と普段話しているときに感じる情熱とワクワク感がそのまま文の中に溢れていて、楽しく読ませていただきました。

是非この本を見かけた際には、手に取って頂けたらと思います☽

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お便り

最近アルバムの宣伝を節操無く載せてたりしますが、。そんな中今日は2人のセンパイ音楽家から、思いがけずメッセージを頂き嬉しくなりました。

どちらの音楽家もリスペクトしていますし、その音楽や存在に刺激やモチベーションを頂いております。

文面を見るに、これは激励と言うより叱咤の方か?と感じましたが笑、どういう立場であれ、表現したものに対して応えて下さることが尊くて、何よりも励みになります。

ここは直接言わずに、戒めとして記しておこう。

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【お知らせ】『冬樂奏 - 前夜 -』Release

Piano Solo Album 『冬樂奏 - 前夜 -』

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2021年2月13日より各配信サービスよりリリースされました
YouTubeでも全曲の無料公開をしていますが、配信サービスの音質とは音の解像度にかなり差があるため、是非とも配信音源でお聴き頂けたらと思います
特に音の世界にトラベルされたい方はハイレゾ音源をどうぞお楽しみください

ハイレゾ配信サービス
e-onkyo
https://www.e-onkyo.com/music/album/cfm4582476540809/

OTOTOY
https://ototoy.jp/_/default/p/690821

mora
https://mora.jp/package/43000018/4582476-54080_H/

■配信サービス
spotify / iTunes Store / Apple Music / amazon music / OTOTOY / Youtube Music / LINE MUSIC / 着信・うた / mora / music.jp / MySound / AWA / Deezer / Kugou・Kuwo・QQMusic /
NetEase Cloud Music(網易雲音楽) / ORICON STYLE / Pandora / KKBOX / music unlimited
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■曲目
01:白暎
02:白暎 [冬樂奏]
03:戦ぐ
04:A PLACE WHERE HE LIVES
05:tobali to hibari [Live]
06:蒼い夜、歩く人。
07:蒼い夜、歩く人。 [冬樂奏]
08:鶴田中学校校歌
09:鶴田中学校校歌 [冬樂奏]
10:鶴田中学校校歌 [冬樂奏]

©℗2021 瞑奏録音 / Meisou Record
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■録音情報
「音のタイムマシンで、ワープしましょう!」
オーディオDCアンプの神様 金田明彦氏、開発・設計・製作の
【金田式バランス電流伝送DC録音システム】でワンポイントステレオ・レコーディングを敢行!!
包み込むような心地良い響きと躍動感あふれるサウンドをお楽みください。

発売日:2021年2月13日(土)
レーベル:瞑奏録音
品番:MSRC1003
録音場所:100BANホール (兵庫県神戸市)
録音日:2020年7月13日、8月4日、8月11日

DC録音システム開発・製作 : 金田明彦
録音・マスタリング : 五島昭
[使用録音システム]
・金田式バランス電流伝送DCマイクロホン (SCHOEPS MK2使用タイプ)×2
・金田式バランス電流伝送DC録音ユニット
・オーディオインターフェイス RME Fireface UC
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■物語から抜け出してきた人たち
冬のピアニスト : 日吉直行
白い作品 : 堀川智美
デザイン : 山下麻里
録音&ミックス : 五島昭彦 (Time Machine Record)
ピアノ調律 : 鈴木優子
映像サポート : 小倉直也
監修 : 福田幸太郎
ご協力 : 坂口麻衣子、山内建佑
配信を楽しむための小さな贈り物 : 御厨かの
写真 : 伴智一
星の珈琲 : FUSHI COFFEE ROASTERS
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■HP
冬のピアニスト : Naoyuki Hiyoshi
https://naoyukihiyoshi.hatenablog.com/​​
青の人 : Tomomi Horikawa
https://www.instagram.com/tomomi_hori...
星の珈琲 : FUSHI COFFEE ROASTERS
https://fushicoffee.stores.jp/​​
100BAN HALL
http://100ban.jp/​​
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Naoyuki Hiyoshi 『冬樂奏 - 前夜 -』

楽家 日吉直行によるピアノソロ配信アルバム『冬樂奏 - 前夜 - 』。独自の世界観から紡がれる即興演奏と作曲や編曲の感性がブレンドした音楽が奏でられている。
『季節の冬ではない、心の中へと向かう<冬>の音楽』をテーマに、「ジャンルに倚りかからない音楽」や「これからの音楽の在り方」について眼差しを向けた意欲的な作品となっている。
ジャケット絵の白の作品は、同じ宮崎出身で青い作品を作る画家 堀川智美さんが制作。デザインには、絵本『鳥たちは空を飛ぶ』(2015、文:目黒実 / 絵:荒井良二、アリエスブックス)や『祈る子どもたち』(2017、文:目黒実 / 絵:福田利之、アリエスブックス)の制作や装幀を手掛けた山下麻里さんを迎えている。
また『冬樂奏』の音世界では、「金田式バランス電流伝送DC録音システム」によるワンポイントステレオ・レコーディングで音楽を表現する録音技師 五島昭彦さん (Time Machine Record) とピアノの内なる声を聴く調律師 鈴木優子さんの2人の技術と感性がかけ合わさっている。
今作の発売に合わせて、神戸・旧居留地にある100BANホールでのライブ『冬樂奏』を収録した動画の販売、自家焙煎のスペシャルコーヒー専門店 FUSHI COFFEE ROASTERSさんによる『スペシャブレンド / 冬樂奏』のドリップパックの発売、御厨かのさん制作の『配信をより楽しむための小さなギフト』の販売も行われる。
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YouTubeで全曲公開中↓
再生リスト『冬樂奏 - 前夜 -』
https://youtube.com/playlist?list=PLBcq7lhNH79J3z6136KG4cgeqWF_AHv2u

【游音飛來|#3 瞬間のこと】

先週くらいから、夜な夜な動画の編集作業をしています。編集ポイントの一つに映像と音のズレの修正があるのですが、その中にもいろいろな発見があって面白いです。

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普通のスピードの打鍵だと、秒数でだいたい0.03秒前後のずれがあると違和感を感じます。更に速いスピードで打鍵している場面では、0.015~0.02秒ずれるだけで「ん?」と感じてしまいます。さすがに0.01秒ではあまり違いが分からなかったのですが、本当に集中しきっているときやいわゆる「ゾーン」の状態に入って演奏していると、それでも分かるのかもしれません。

特に即興演奏の場合、その時間に「こう弾こう」だとか「次はこうしよう」などと企てを考得る時間はないですし(いや、予測の元に動いているともいえる)、指が鍵盤に触れる瞬間から実際に次の音に行くまでの脳の処理スピードがどうなっているのか、実感できません。こういう弾き手の感覚は、前から研究対象ともなっていて、実際にその実験にも参加したことがあるので、とても興味があるところです。

しかし音楽家からすると、「情」の動きが分からない限り発せられないのが、人間の手による"音遣い"だと確信しています。例えば、AIにフレーズの特徴からバッハの音楽を研究したり、ジャズのアンサンブルセッションを目指す研究がありますが、もともとの人間の奥底にある「情」との関わりがわからない限りは、「なぜそのフレーズを使った(選択した)のか?」を理解できないと思われるので、どうしても「研究する順番が逆なのでは?」と感じられずにはいられません。もちろんロボットに「嘘をつかせる」研究などの面白いものもあったりして、まじまじと眺めてしまうものなんですが。

深夜に魅力的なプレイの世界の入り口を見たということで、冬おじさんがつらつらと書いてみました。今日も編集作業を続けます。

Live収録 "冬樂奏 - 前夜 -" at 100BAN HALL

30 January 2021

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音楽の向かう先へ。

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もともとゲストを入れてのライブ配信を考えていたのですが、現在の状況を顧みて、無観客でのライブ動画の収録となりました。
これから音楽とどうやって付き合っていくのか。
僕なりに、そして関わって下さる表現者たちとその答えを紡いでいる最中なのですが、そこには光を感じています。
もちろん、こういう活動は表現したい音楽によって異なるものなので、全ての音楽に当てはまるものではない、むしろ少数派だと思っていますが、音楽にどのような眼差しを向けて、テクノロジーとどう付き合っていくのかさえも、すべて「その音楽から出発する」ことしかありません。
そういう意味で、みんなで同じ方向へと進んでいく、そんな収録でした。

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配信のデジタル空間で体感する生の音の在り方とは―。
今回の収録では、ピアニスト、録音技師、調律師・・・それぞれの技術と感性のかけ合わせが、これまでよりもさらに表現に盛り込まれた充実感を感じています。

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また、ジャケットで描いてくださった白い絵の制作者 堀川智美さんにも、実際に8枚の絵を持ってきて頂きました。生の空間で絵を見る時にかえって気付きにくい視点や見ることの難しい目線にカメラをセットし、ライブと全く同じ状況で音楽に合わせながら絵を配置してもらう表現を担当してくださいました。

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そこには、7台のカメラの映像を音楽に合わせてスイッチングしてくださった小倉直也くん(素晴らしい若手のジャズトランぺッターです)のミュージシャンとしての感性と連携も、会場となった100BAN HALLの空間と歴史とともに、この動画の中に収められています。

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特別なのは、その配信の空間に音楽だけが存在するのではないということです。音楽以外の分野と手を取り合いながら作品作りをするのは、僕の音楽に対する考え方の一つでもあります。

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今後、ここに至るまでのそれぞれ取り組みや考え方など、少しづつ紹介していきたいと思います。
なお、この動画の販売については、2月に入ってお知らせする予定です。是非、お楽しみに〇
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■物語から抜け出してきた人たち
冬のピアニスト / Piano & Composition : 日吉直行 / Naoyuki Hiyoshi
白い作品 / White Works : 堀川」智美 / Tomomi Horikawa
録音と配信の音 / Recording : 五島昭彦 / Akihiko Goto (Time Machine Record)
ピアノ調律 / Piano Tuning : 鈴木優子 / Yuko Suzuki
映像スイッチャー / Assistant : 小倉直也 / Naoya Ogura

【冬樂奏|配信アルバムリリースのお知らせ】

2月13日(土)に、ピアノソロアルバム『冬樂奏 - 前夜 -』 が各配信サイトよりリリースされます!

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『季節の冬ではない、心の中へと向かう<冬>の音楽』をテーマに、「ジャンルに倚りかからない音楽」や「これからの音楽の在り方」について眼差しを向けた意欲的な作品となっています。

ジャケット絵の白の作品は、同じ宮崎出身で青い作品を作る画家 堀川智美さんが制作。デザインには、絵本『鳥たちは空を飛ぶ』(2015、文:目黒実 / 絵:荒井良二、アリエスブックス)や『祈る子どもたち』(2017、文:目黒実 / 絵:福田利之、アリエスブックス)の制作や装幀を手掛けた山下麻里さんを迎えました。

『冬樂奏』の音世界では、「金田式バランス電流伝送DC録音システム」によるワンポイント・レコーディングで音楽家以上に音楽を表現する録音技師 五島昭彦さんとピアノの内なる声を聴く調律師 鈴木優子さんの2人の技術と感性がかけ合わさっています。

また今作の発売に合わせて、神戸・旧居留地にある100BANホールでのライブ『冬樂奏』を収録した動画の販売、自家焙煎のスペシャルコーヒー専門店 FUSHI COFFEE ROASTERSさんによる『スペシャブレンド / 冬樂奏』のドリップパックの発売、御厨かのさん制作の『配信をより楽しむための小さなギフト』の販売も行われる予定です〇
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Naoyuki Hiyoshi Solo Album 『冬樂奏 - 前夜 -』 (To-gaku-so - Night Before -)
2021年2月13日(土)リリース予定!

■録音情報
レーベル:瞑奏録音
品番:MSRC1003
録音場所:100BANホール (兵庫県神戸市)
録音日:2020年7月13日、8月4日、8月11日

ハイレゾ配信サービス
e-onkyo / mora / OTOTOY

■配信サービス
iTunes Store / Apple Music / spotify / amazon music / OTOTOY / Youtube Music / LINE MUSIC / 着信・うた / mora / music.jp / MySound / AWA / Deezer / Kugou・Kuwo・QQMusic /
NetEase Cloud Music(網易雲音楽) / ORICON STYLE / Pandora / KKBOX / music unlimited
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■曲目 / Songs
01:白暎
02:白暎 [冬樂奏]
03:戦ぐ
04:A PLACE WHERE HE LIVES
05:tobali to hibari [Live]
06:蒼い夜、歩く人。
07:蒼い夜、歩く人。 [冬樂奏]
08:鶴田中学校校歌
09:鶴田中学校校歌 [Variation]
10:鶴田中学校校歌 [冬樂奏]

©℗2021 瞑奏録音 / Meisou Record
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■物語から抜け出してきた人たち / Expressionists
冬のピアニスト / Piano & Composition : Naoyuki Hiyoshi
白い作品 / White Works : Tomomi Horikawa
デザイン / Design : Mari Yamashita
録音 & ミックス / Recording & Mixing : Akihiko Goto (Time Machine Record)
ピアノ調律 / Piano Tuning : Yuko Suzuki
映像スイッチャー / Assistant : Naoya Ogura
監修 / Coordinator : Kotaro Fukuda
ご協力 / Assistant Coordinator : Maiko Sakaguchi, Kensuke Yamauchi
配信を楽しむための小さな贈り物 / Gift : Kano Mikurya
写真 / Photography : Tomokazu Van
星の珈琲 / Stars Coffee : FUSHI COFFEE ROASTERS

冬樂奏

さて、新しい企画『冬樂奏』がはじまります。「とうがくそう」と読みます。

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― 季節の冬ではない、<冬>の音楽 ―

幸いなことに、深くお付き合いのある方々は僕の音楽を「ありそうでなかった音楽」と形容してくださったり、これまで「即興と作曲の境を漂いながら」ピアノを奏で、曲を創り、いろいろなアーティストと創作活動をしてきました。その範囲は、人前でのパフォーマンスだけでなく、音楽について考える活動にまで広がり、特に「ジャンルに倚りかからない音楽」や「これから音楽とどう付き合っていくのか」について眼差しを向けてきました。元々これらのことは、コロナウイルスがやって来ようが来まいが関係なく考えていた話なのですが、必然的に彼らの存在によって背中を押され、この冬を迎えています。

これからどんな風に仕事を得て、どんな風に生活していくのか。この冬の間だけでも、変化を感じることだろうと思います。そして、社会や日常の変化と天秤のように関係し合い、その果たす役割がさらに重要になっていくと眺めているものの一つが音楽です。やはりそういう目線で音楽と付き合い、学び、携わっている者として、これまで以上に僕なりの音楽との付き合い方を表現していこうと思い至りました。

そういえば、僕の音楽は「冬に聴きたくなる」と言われたことがあります。ずっと腑に落ちなかった言葉です。ここに至るまで、どんな音楽を奏でたいのだろう?と繰り返し自問自答する度に、この「冬」への興味が日に日に湧いてきていました。

あれこれ思案を巡らしていくうちに、自分の中に ”情のような何か” の存在があることに気付きました。これは目には見えないけれど、「嬉しい」や「悲しい」といった感情の先にあることはわかっています。さらに、どうやら音楽の最深部を居場所にしているかもしれない気配を持っていて、なおかつ音楽だけではない「表現する」という行為の中心にいつも存在しているらしい。そう考えると、途端に厄介なものだなぁと思えてきます。しかし、考えや想いが整理されてくるにつれて、ふつふつと、『それらの居場所を音楽で表現してみたい』、『僕らの”気持ちの置き所”をこの音楽を通して考えてみたい』と思うようになりました。

そこで、僕は”情のような何か” を<冬>に準えることにしました。つまり、これは季節を表す「冬」のことではない。これから僕らが表現していくのは、心の中にある<冬>なのです。

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― 冬樂奏 前夜 ―

自らの手で音を奏で、手を汚しながら絵を描き、生きた言葉を紡いで、そして自ら企画して…。それらは全て<冬の音楽>から出発し、音を表現する「物語から飛び出してきた人たち」を通じて、その先の受け取り手へと”響いていく”。その気配と空気が感じられることを期待しています。

また、自分の手を動かしながら生み出すゆえの強さを実感する機会にもなり得るし、対局にあるようなテクノロジーやそれを扱う身体的な経験からくる面白さとの重なりは、アナログな手作り好きにも、ネイティブなデジタル世代にも、新鮮に映るのではないかと思います。

甘ったるい懐かしさとも違う、「手(耳)触りのある音を届ける」感覚を、僕らの心も手も”忘れることのない”ように願っています。

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[物語から飛び出してきた人たち]
冬のピアニスト:日吉直行(ピアノ)
青の人:堀川智美(白の作品)
音を運ぶ宇宙船号の技師:五島昭彦(録音 / Time Machine Record)
調律:鈴木優子
監修:福田幸太郎
デザイン:山下麻里
小さなお届け物:御厨かの
星の珈琲:FUSHI COFFEE ROASTERS
写真:伴智一
映像スイッチャー:小倉直也
ご協力:坂口麻衣子、山内建佑

[企画・制作]
瞑奏録音 / Meisou Record

【游音飛來|#2 音楽が物語のそとに出るとき】

音楽はいつでも物語の中心に居座ることができます。特にピアノは空間の支配力が強い楽器ですから、時にはピアノの、いや、弾き手の〈悪い所〉が出たりします。

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そんなピアノが物語のそとへ出ることがあります。そとの世界では、BGMの"代わり"の役割を求められたり、小さい音で弾くように、邪魔をしないように、と囁かれる場面も少なくありません。

しかし、ピアノが"代わり"では無い役割を果たすことができるでしょう?と思い耽ったとき、どうやら音楽の中には、その「答え」はなさそうです。「答え」に問いかけても仕方が無いのだから、それならば「問い」の方へと探しに出かけてみます。