20220606|Bluemanship航海記録①

◆ライブを終えて
まずは5/29のライブ・アーカイブ配信どちらもご覧頂きありがとうございました!(ちなみにアーカイブ配信は6/7火23:55まであります)
ライブ後即九州だったため振り返りは遅くなりましたが、たくさんの感想を頂きありがとうございます。特に個性的な感想が多くて、とても楽しませて頂いております。演者側にとっても充実したライブになりました。

◆いざ、出航
今回のライブにテーマを付けるなら、「お互いの地図を広げましょう」というフレーズに集約されるだろうと思います。元々このフレーズは、対談をしていた那須耕介さんの言葉ですが、ファースト・セッションを表現するのに言い得て妙で、そこに羅針盤を持たず、直観を信じながら音楽の航海へ出かけようという裏テーマをブレンドしています。自分の中でまだ触れていない音にタッチしようとする感覚を大事にしたい、その勇気を持ち続けよう、そういう想いを込めているのが、このユニットです。

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◆音場の大切さ
いつもの如く、ベースは生音でのセッティングでした。いまの100BANホールの響きは、ちょっと位置をずらすだけで大きく聴こえ方が変わるほどとても繊細。そもそもベースとピアノは音量差があり、アンプを使わずに奏者のやり易い音場を追求するには後1時間くらいはサウンドチェックをしたかったのですが、ユニットとして初めてのライブ+当日のみのリハで乗り切らなければならないことを考えると、どうしても音楽づくりを優先せざるを得ませんでした。恐らくあと少し時間があれば、もっと音場を整理できたかなというところが心残り。それほど、生音×音場の方程式は音楽の内容に深く関わります。

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◆難しい音楽づくり
混み入った話になりますが、ピアノとベースというフォーマットの難しいところは、「ピアノとベースならこんなサウンドになりそうだなぁ」「その景色はもう見たよ」という印象を演者にも聴き手にも与えてしまいやすい部分です。特にジャズでは頻繁に見られる編成であるため、フォーマットだけで聴き手に輪っかを嵌めてしまう恐れがあります。
もう一つは、上記のような感覚に対峙した時に、お互いがどう振る舞うかという奏者の悩みというのが常に付き纏います。ストレートにジャズ的にアプローチするか、即興的にぶち壊しに行くか、はたまた壊れない程度にバランスを取りに行くか。もちろん曲によってもお互いのプレイスタイルによっても変わりますが、即興的なデュオスタイルとしては、ここが醍醐味のひとつになります。
しかし裏を返せば、それらを乗り越えるとまだ自分の体感していない音世界に出逢える可能性があるということでもあります。個人的には、とても気楽に考えていますが、音楽家にとって重要な問題です。

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◆今後のスケジュール
6/25に埼玉・越生にある山猫軒、6/26に東京・堀切菖蒲園にあるaire amenoさんの関東2DAYSを控えています。どちらも場所が特徴的で、個人的にもどんな音楽になるか、楽しみです○
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⚓︎乗船員 - Sound Crew
piano:日吉直行
contrabass:小美濃悠太
illustration:ナカガワ暢
recording:五島昭彦
piano tuning:鈴木優子
photograph:はらまいこ
switching:大福成歩
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記事の写真:吉成聡志