ひとつ町が違うだけで、雪の量が全然違うとか。今朝の神戸は良い天気で、雪が降るなんて信じられない心持ちで、あったかい格好をしたつもりで向かいましたが、そこは深い雪国でした。
今日は鮎子さんと最終リハのため、余呉の隣の木之本スティックホールへ。足元の悪い中ご主人もお手伝いして下さいました○。充実したリハを終えた今は、雪で帰りの電車がなかなか進まない状況です。
遠出する電車の中では時間があるので、格好の制作タイムになります。その時間をどう過ごすのか、が音楽活動には重要です。
最近は、減らざるを得ない創作時間と増えてゆく事務作業との新しいバランスを探していて、なかなか落ち着きません。電車の中の方が、遠くへ出掛ける方が、かえって捗ったりします。もちろん携帯やパソコンも便利で持ち運びますが、電波が入らなかったり電源がないところなどで活躍するのは、紙と鉛筆だったりします。
一般的に仕事は「早い」方が良いとされています。勿論良いこともあるのは承知していますが、創作にとっては遠回りすることが大事です。必ずしも早さは重要ではありません。
こういうときは、遠方では時計が遅れる、と言うことにしています。遠くにある星ほど、時間がゆっくり流れている、相対性理論のようなものです。つまり遠回りができる仕事は「創作」であると言えるのかもしれません。
ー 寒さとは ー
南の方で育った人間にとって、雪は未知の世界。雪どころの人達からすれば、お話にならないかもしれないが、積もる景色の中にいたいという、ちょっとした憧れもあったりします。
想いを巡らすうちに、実は「雪」ではなく〈寒さ〉に憧れを抱いていたのかもしれない、と感じてきました。
でも、寒くて危ないこともある。雪を甘く見てはいけない。厳しさと怖さがそこにはありました。
そもそも「寒」と言う漢字には、ネガティブな意味がズラリと並びます。確かに今日体感したように、人間と「寒い」ことは、相性が悪いのかもしれません。
一方で〈寒さ〉に憧れることで表現できるもの、もあります。それは心の内側へと向かう動きに呼応していて、"冬の感覚"を知らせてくれます。"寒さの表現"と言うと少し大それた言い方かも知れませんが、音楽にもそれは存在していると確かめられた気がします。
寒さとはー。これから探していきたいと思います。