220221129|ドキュメンタリー音楽のレコーディング

昨日は、兵庫県加東市のコスミックホールにて、来年1月に放映予定のドキュメンタリー番組の音楽レコーディングでした🎧f:id:naoyuki0730:20221129164306j:image

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▷ Sound Crew

piano:日吉直行

contrabass:小美濃悠太

percussion:Kan

録音:五島昭彦

ピアノ調律:鈴木優子

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◆ドキュメンタリーの音楽づくり

今回のドキュメンタリーは、長野県諏訪市の御柱祭の人と自然をテーマにした長野朝日放送制作の番組で、2019年に御嶽山にまつわるドキュメンタリー番組で関わって以来になります。

ディレクターが神戸大学時代の同級生 仁科賢人くんで、タイトル題字は親交のある詩人のウチダゴウさん、ナレーションに某俳優さん(まだ公開できない)が担当することになっています。

先月には祭の取材に同行させて頂いて、作品のイメージとストーリーの共有をしてきました。縄文文化の歴史や自然を背景に、人と人の繋がり、人と自然を繋ぐ作品でもあるため、僕がいま自分の表現として向き合っているインド音楽や東南アジアの音楽〜奄美の音楽を中心とした、「アジアのメロディ・リズム・ハーモニーを発見する」音楽観を先に進める機会にもなりました。それは単に音楽の種類を真似るものではなく、自分たちの身体に入った音に落とし込むところまで行きたかったので、ここ2ヶ月以上は休みという休みがなく、割と限界近くまで五感を回転させた日々が続きました(たのしかったですが)。

それから活動の合間を塗って作曲・プレイのイメージをしてきましたが、あっという間に収録当日になってしまいました。まぁいつものように当日ギリギリまでスコアを書いていましたが、今回は初共演もあり、実際に音を出してみないとわからないことや即興と作曲が混じるスタイルでもあるため、あえて抽象的なスコアで挑むことにしました。

◆ホールの豊かな響きと向き合う

今年に入ってのコスミックホールでの録音は、9月から数えて3回目になります。ライブハウスのような箱の響きとはまた違うホールの中にあって、コスミックホールの響きはめちゃくちゃ響きます。一緒に活動している録音技師の五島さんの今の作品作りの現場ともいえるこのホールには、五島さんの狙いとある種の想いが込められていて、その”鳴り”の独特さから、初めて演奏した時はとても困惑したのを覚えています。しかし3回目ともなると、ホールの響きも少しずつ掴んで演奏できるようになってきました。f:id:naoyuki0730:20221129164430j:image

ピアノに限って言えば、特に今回つくったオリジナル曲の大半がインドやインドネシア即興から発展した曲が多くて、ペダリングの使いどころとタッチの強さを、ホールの響きと優子さんの調律の方向と合わせてコントロールしながら演奏するところまで求められているような部分があります。とは言え、至っていつも通りの感覚と感性で臨めたこともあり、10月のレコーディングの時より全体を聴きながら遠くを見てプレイするところまで行けたように思います○

◆おみのくんとKanくん

そして今回のプレイメンバーは、贅沢にも東京から(結果的に)日帰りで来て頂いた小美濃くんと、初めてお会いしたパーカッショニスト Kanくん。4、5曲ほどご参加いただきました。3人では13時過ぎにセッティングを始めて、16時過ぎには撤収が終わるという余りにも順調なレコーディングとなりましたが、内容も出会いも含めてとても良いものになりました○f:id:naoyuki0730:20221129164504j:image

小美濃くんとは今年からBluemanshipというユニットを作って、じっくり感覚の共有と新しい音楽を作りにいっています。そんな小美濃くんから紹介されたKanくんは世代的には一回り近く下になるのですが、フレーズに対するリズムのからみ方、解決に向かう時の響きに対してのアクション、大きなパルスと小さなパルスの同居、ノンビートに対する反応など、細かい音楽的な部分での納得感と一致感が在りました。その上で自分の感性と主張もはっきりある素晴らしいミュージシャンで、めちゃくちゃ楽しかったです。f:id:naoyuki0730:20221129164444j:image

◆Bluemanshipへようこそ

3人でマイクを囲むように収録しましたが、生音のベースもよ〜く鳴っていて、かなり演奏しやすかったです。はじめは、プレイによってはパーカッションの音と混じると音がぐわんぐわんする想定をしていたんですが、そこはKanくんのテクニックが素晴らしくて、パーカッションではない「打楽器」の音が響きわたりました。f:id:naoyuki0730:20221129164323j:image

小美濃くんもKanくんも僕と聴いている音や感性が近いところがプレイに現れているのが共有感として大きかったです。なにより、僕の中でいちばん大事にしている、「その先に手をかけたい」という気持ちを音楽で共有する感覚、を持っていることが感じられて、とても嬉しかったです。来年からの、このトリオの発展がとても楽しみ!f:id:naoyuki0730:20221129164350j:imagef:id:naoyuki0730:20221129164359j:image

詳しくは今後宣伝しますが、このドキュメンタリー番組はBSのゴールデンタイムで来年1月ごろ放送予定ですので、是非お楽しみに○