20251029|雨を、奏でる。

先週末は、旧居留地ゴッホナイトの関連イベントで、半野外でのプレイでした。
土砂降りの中、お越しいただいた方々、ありがとうございました。

演奏前には神戸市立博物館の実際のゴッホの絵画を見に行きました。オランダ時代からフランス時代に向かって洗練されていく時系列に沿ったストーリーでしたが、実際見てみると一般的に印象派と呼ばれるゴッホの色彩感覚ではわかりにくかった、オランダ時代(オリジナリティがはっきり出てくる以前のスタイルのとき)の色遣いや質感を少し感じられたのが良かったです。思ったよりも淡い色の重ねが多いとか、暗くて矢印が自分に向かうような作品が多いとか。ドビュッシーもそうなんですが、初期の作品からだんだんとオリジナリティの形がはっきりしていくのも印象的で、多くの時間自分と作品に向き合いつつも、いろんなものを手放していったんだろうなと感じました。

演奏後は、土砂降りになっていたので本当に演奏するんだろうかと思いながら会場へ向かい、こんな雨の中だからこそできることをしたいなと思い、急遽五島さんに録音もお願いして、サウンドチェックもそこそこにパフォーマンスへ。

初共演の仙石さんは、3台のOHPを使いながらアナログでペインティングしていくスタイルのリキッドライティングで、音に対して色々な反応をしながら作っていくタイプのアーティスト。お互い何の打ち合わせもせずに、1時間のパフォーマンスを2セット、雨の中での即興プレイでした。いわゆるコール&レスポンスの即興に終始するというよりは並行で対位法的即興がベースなので、アートのジャンルの壁を一切意識することなくプレイできました。

このあたりの感覚は、コラボレーションという名の下においては平行線という罠に引っ掛かりやすく、実は簡単なようでなかなかできない部分。演奏後の対話の中でわかったのですが、仙石さんがこのスタイルになった背景やアジアの空気、アナログと即興の感覚など、普段から自分でも意識している要素がすごくシンクロしていて、このパフォーマンスは必然だったんだなと感じました。

なによりもこの日一番の主役は「雨」でした。野外楽の魅力のひとつというか、室内では起こり得ないランダム性と音のインスピレーション。仙石さんも僕も、雨がスイッチを入れてくれたことは間違いがないだろうし、こんな雨の中聴きに来られたすごくモノ好きな方にとっても、なかなか体験できない面白い時間になったのではないでしょうか。

個人的には、即興演奏ベースで途中に直観で指が動く曲と行き来しながら、自分の感性とプレイの一致感がめちゃくちゃ合った実感でした。すごく手放すことができた、それが前よりも一つステージが上がってできた感覚があったのが嬉しい。五島さんの録音を聞き返すと雨と音がプレイしている時と同じように感じられて、録り手も音に入り込んでいく瞬間が記録されているので、是非作品化したいなと考えています。また来年にはなりますが、僕と仙石さんに加え、とある偉大なミュージシャンを加えたトリオを考えているので、是非お楽しみに!

そして今週末は、Bluemanshipライブ!

▶11/1(土)Bluemanship Live
出演:日吉直行 - piano 浅井良将 - sax 小美濃悠太 - bass
場所:100BANホール(兵庫・三宮)
時間:19:00 - 21:00ごろ
料金:前売¥ 4,000 当日¥ 4,500 25歳以下¥ 2,500

▶11/2(日)Bluemanship Live
出演:日吉直行 - piano 浅井良将 - sax 小美濃悠太 - bass
場所:アイガットサロン(京都・北大路)
時間:15:00 - 17:00ごろ
料金:前売¥ 4,000 当日¥ 4,500 25歳以下¥ 2,500