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【LIVE】2025年10月25日(土)旧居留地ゴッホナイト@三井住友銀行 神戸本部ビル 南側広場(兵庫)
「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」とのコラボレーション企画
旧居留地ゴッホナイト
2025年10月3日(金)〜25日(土)まで 旧居留地を中心に、街中でイベント開催!
神戸市立博物館で開催されている、「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」の開催に合わせ、10月の週末、「カフェテラスで楽しむアートと音楽」をテーマに、様々なイベントを開催します。
光のプロジェクションや、「夜のカフェテラス」をテーマにしたライトアップ、 旧居留地や三宮中央通りの飲食店でコラボメニューも楽しめる。大ゴッホ展を観覧した方やこれからの方にもお得なチケットも。
10月の週末は旧居留地に出かけよう!
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神戸旧居留地 ゴッホナイト Gogh Night
“観 光 地 - The Place for Lightseeing”
at 神戸旧居留地, Kobe
2025.10.04 [sat], 11 [sat], 18 [sat], 25 [sat]
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第四夜:三井住友銀行 神戸本部ビル 南側前広場
2025.10.25 [sat] 19:00 - 21:00
TIME PAINTING:
AKITO SENGOKU
Jazz music set:
日吉直行 [ソロピアノ]
【Live】2025年10月15日(水)お昼の盲導犬チャリティーコンサート@100BANホール(兵庫)
piano - 日吉直行
sax - 浅井良将
🕗 日時
12:10~13:00 (11:45 open)
🎫 料金
¥0(¥100の盲導犬育成チャリティー募金をお願いします)
🏢 会場
100BAN HALL
[住所]
神戸市中央区江戸町100番地高砂ビル2F
[アクセス]
三宮駅(JR・阪急・阪神)から徒歩7分
▷ お問い合わせ
✆:078-331-1728(100BANホール)
✉:hall@100ban.jp(100BANホール)
【LIVE】BLUEMANSHIP LIVE 2025
piano - 日吉直行
sax - 浅井良将
bass - 小美濃悠太
DAY1:11/1(土)100BAN HALL in KOBE
DAY2:11/2(日) アイガットサロン in Kyoto
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DAY1 in Kobe
🕖️ 日時
2025年11月1日(土)
開場 18:30 / 開演 19:00(終演21:00頃)
🏢 会場
100BAN HALL
[住所]
神戸市中央区江戸町100番地高砂ビル2F
[アクセス]
三宮駅(JR・阪急・阪神)から徒歩7分
🎫 料金
前売:¥ 4,000
当日:¥ 4,500
25歳以下:¥ 2,500
※現金のみとなります。当日会場にてお支払いください。
◼️ご予約・お問い合わせ
✆:078-331-1728(100BANホール)
✉:hall@100ban.jp(100BANホール)
✉:meisourecord@gmail.com(瞑奏録音)
※メールの場合、件名を「11/1ライブ予約」として、①お名前 ②電話番号 ③人数をご明記の上、お申し込みください。
主催:瞑奏録音
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DAY2 in Kyoto
🕒️ 日時
2025年11月2日(日)
開場 14:30 / 開演 15:00(終演17:00頃)
🏢 会場
アイガットサロン
[住所]
〒603-8142
京都市北区小山北上総町40-2
アイビルディング3F
[アクセス]
地下鉄烏丸線「北大路駅」下車徒歩2分
🎫 料金
前売:¥ 4,000
当日:¥ 4,500
25歳以下:¥ 2,500
※現金のみとなります。当日会場にてお支払いください。
◼️ご予約・お問い合わせ
✆:075-406-7643(アイガットサロン)
✉:meisourecord@gmail.com(瞑奏録音)
※メールの場合、件名を「11/2ライブ予約」として、①お名前 ②電話番号 ③人数をご明記の上、お申し込みください。
主催:瞑奏録音
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📝 Profile
日吉直行(ひよしなおゆき)|ピアノ
『皆さん、要注意です。柔和な頼りなさそうなこの顔にだまされないでください。この男、いったん弾かせると「おぬしなかなかの使い手 油断ならぬな」に豹変します。』(文:谷川賢作)
1986年7月30日、宮崎県延岡市生まれ。兵庫県神戸市在住。ピアノから紡がれる枠に囚われない自由な発想と音遣いは、即興と作曲の境目を漂いながら、ご縁のある各地で ”ありそうでなかった音楽” を奏でる。
音楽と関わり始めたのは6歳、9歳からピアノ、15歳に音楽活動を始め、谷川賢作(音楽家)との出会いをきっかけに、これまでに8枚のオリジナルアルバムをリリース、配信作品を5タイトル発表している。2019年には自主レーベル「瞑奏録音」を立ち上げ、様々な編成・アーティストと共にオリジナル曲や即興演奏主体のライブコンサートを行っており、さまざまなジャンルや領域を”うろちょろ”奏で周っている。
高校時代はピアノとドラムのデュオで音楽活動を始め、地元メディアに採り挙げられた。神戸大学発達科学部人間表現学科に1期生として入学後、神戸大学大学院人間発達環境学研究科人間表現専攻の博士課程前期課程修了まで、即興演奏や現代音楽を中心に現代アート領域を学び、即興演奏やジャズの歴史を研究した。並行して、オリジナルバンドの活動やジャズミュージシャンとのライブを日々重ね、絵・詩・文学・写真・書道・花・舞踊などジャンルを超えたアーティストとの共演・共作を重ねつつ、ジャズフェスティバルやテレビ・ラジオへ出演、ニュース番組のテーマ曲や映像音楽の作曲演奏、ラジオジングルやオーディオガイドの制作などに携わってきた。
また音を奏でるだけでなく、音楽が新しい役割を担う仕事を開拓したり、音楽だけでなく学びの指導者として、活動初期から音楽や学びの可能性を広げるプロジェクトや作品作りに注力し続けている。現在まで、即興演奏の講座&ワークショップを毎月主催、大分県国東市鶴川地区を中心とした地域活性化プロジェクトのプランナー担当、那須耕介(法哲学者)との対談、大学での音楽の特別講師だけでなく予備校講師や塾講師を20年以上務めるなど、指先の向こう側で歴史や想いを読み解く活動を展開。また、即興演奏で音を紡ぐ新しいスタイルの結婚式演奏のプロデュースや演奏、台湾や日本の3歳~90歳まで幅広い年代層の方々が所属する合唱団との共演、小中学校や保育・幼稚園での訪問演奏など、子どもから大人まで関わり合いながら、距離が生まれがちな文化・芸術が身近になる場をつくるべく様々な現場に立っている。
浅井良将(あさい りょうすけ)|アルト・サックス
1985年11月30日兵庫県神戸市に生まれる。神戸市立港島小学校でトランペット鼓隊に所属し、トランペットを始める。私立甲南中学・高等学校で、甲南ブラスアンサンブル部に所属し、アルトサックスを始める。
2002年関西を中心とする中高生のビッグバンドジャズのコンテストであるStudent Jazz Festivalでは兵庫県知事賞を受賞。ビッグバンドをするかたわらアドリブに興味を持ち、江藤嘉昭氏に師事。同クラブ引退後、小曽根啓氏に師事。
2004年11月学生有志で参加した芦屋の老舗Left Aloneで開催されたアマチュアバンドオーディションでは最優秀ソリスト賞を受賞。私立甲南大学に進学するも中退。音楽の道を志し甲陽音楽学院へ入学し、荒崎英一郎氏、ランドールコナーズ氏に師事。
2006年第一回豊中ジャズコンテストではグランプリを受賞。同年6月,アメリカのケンタッキー州ルイビル大学で開催されたデイブ・リーブマン氏主催のInternational Association of School Jazz(I.A.S.J)に甲陽音楽学院の学生選抜として参加。
甲陽音楽学院修了後本格的にプロとしての活動を開始。2007年第一回神戸ネクストジャズコンペティションでは準グランプリを受賞。インターネットサイトJazz Pageにおける、人気投票では、2012年度サックス部門で第一位に選ばれる。2013年NHK-FMのラジオ番組「セッション2013」に自身のバンドで出演。その模様は公開ライブ収録され全国放送される。
小美濃悠太(おみの ゆうた) |コントラバス
1985年、東京生まれ。一橋大学社会学研究科修了。幼少の頃より続けていたエレクトーンを通じてジャズに出会う。高校に入学後、ジャズを演奏できる楽器を習得するために吹奏楽部に入部。コントラバスとエレクトリックベースを平行して学ぶ。大学進学後、千葉大学モダンジャズ研究会に入部。本格的にジャズを学び始める。在学中から演奏活動を開始し、現在は東京を中心に首都圏全域で活動している。サックス奏者 臼庭潤のバンドへの参加を皮切りに、日本を代表する数々のジャズミュージシャンとの共演を重ねる。ツアー、レコーディングへの参加は枚挙に遑がない。またジャズ以外のフィールドでも、世界的なボサノバシンガー・小野リサの中国ツアーや、日本を代表する雅楽師・東儀秀樹と、世界的なバイオリニスト古澤巌による全国ツアー、フランスの誇るバイオリニストFlorin Niculescuの国内ツアーなどに参加。大竹しのぶ主演「ピアフ」、山本耕史主演「ヴォイツェク」、昆夏美 伊礼彼方 廣川三憲主演「星の王子さま」など、ミュージカル・音楽劇での演奏も多数。自身のプロジェクトとして、2015年にはピアノトリオ”Tre farger”の1stアルバムをリリースし、全国ツアーを成功させる。翌年2016年にはライブ録音の2ndアルバム”Live at The Glee”も発売。Tre fargerを通じてヨーロッパのアーティストとの交流を深め、2017年にはポーランド人ドラマーAlbert Karchとの共同プロジェクトで日本ツアーを成功させた。2018年にはCopenhagen Jazz Festivalに自身のカルテットで出演。また帰国後も再び日本ツアーを成功させた。同年、Copenhagenで出会ったLo Ersare(vo,banjo)、旧知の大森聖子(piano)とともにレコーディングおよび日本ツアーを行い、コンサート限定でのアルバムをリリース。2019年にはコペンハーゲンでのレコーディングを行い、11月にフルアルバム”tiny big”をリリース。ジャズベースを山下弘治氏、アルコ奏法を高西康夫氏、斎藤輝彦氏に師事。
20250723|ココオト、即興WS、FUSHI COFFEE ROASTERS、taramubookandcafe、福岡
◆7月アタマは木之本へ
木原鮎子さんの合唱団「ココオト」の10周年記念ライブ。メンバーの中には緊張されていた方がちらほらいらっしゃったみたいですが、どこに向かって歌うのか目線の合った演奏でとても良かったと思います!打ち上げでは、楽譜を読むvs楽譜を読まないの話をしたり、有意義な時間になりました。前日には子どもたちとも練習をしましたが、以前よりも音に対する反応が上がっているように感じました。即興的な音に反応するワークを取り入れながら、生の音で歌う経験を鮎子さんなりに伝えていることもあるでしょうし、それを子どもたち側が信頼して音を受け取っていることも大いにあると思います。個人的にも「音を預ける」ことの良さを感じた時間になりました。
◆即興演奏ワークショップ「だからこそ、きく。」
今回は、音楽と感情にまつわるネット記事を採り挙げながらディベートし、そこから即興的にワードをいくつか拾い上げていきました。そして、もともと課題で調べてもらっていた変拍子と組み合わせながら、即興セッションをしていきました。特にダラブッカを習っているめぐみさんがトルコ音楽の変拍子をメモされていたので、それをアイデアのひとつに使わせて頂いて、刺激的なリズムセッションを繰り広げました。個人課題として一曲作っている最中の方もいれば、今回初めて参加してくださった音楽家の方もいて、幅の広い音楽との向き合いができる場所になりつつあるのが嬉しいです。次回は8/3。
◆FUSHI COFFEE ROASTERS
沖縄・八重山地方の方言で「星」を意味する「FUSHI」を名前に冠した珈琲店。石垣島に移住されてからはお会いできずじまいでしたが、阪神百貨店のコーヒーフェアに来られていたので、最終日にお邪魔してきました。冷えてもなお残る香りと以前にもまして深いコク。そして日々豆と焙煎の研究を重ね、コンペティションで優勝。次のステージに着々と進まれていらっしゃるのを味わいながら、こちらも進んで行かねばと思った時間でした。久しぶりに会えて嬉しかったです!また作品作りしましょうね!
◆福岡にて
先週土曜日は、描き手の山下麻里さんと福岡・大牟田へ行ってきました。音楽療法士の松本真寿美さんの紹介のもと、狂言師の原さんと一緒にtaramubookandcafeへ。大牟田のアート情報が集まるこのお店は、元々司書だった店主のむらたさんチョイスの本や食べ物・雑貨などが色々と。那須さんの本「つたなさの方へ」があったことで話が一気に盛り上がりました。原さんとも狂言と即興の身体的な共鳴、可能性についてたくさん話ができました。麻里さんとますみさんとは引き続きご飯に行き、その後雨男を発揮。
日曜日は、午前中に九州交響楽団の音楽主幹をされている柿塚拓真さんとお話。九州の音楽事情から教育、今後のまなざしまで、じっくりトーク。奇譚なき意見交換をさせて頂きましたが、最後に奥様への証拠写真をパシャリ。夕方からは、もりしと7/30の打ち合わせをじっくり。その後は焼き鳥屋さんで吉田さんと合流して、表向き冬の企画について話し合いました。
▶7/30(水)Naoyuki Hiyoshi Piano Solo at 100BAN HALL
場所:100BANホール(兵庫・三宮)
時間:開場 18:30 / 開演 19:00(終演21:00頃)
料金:3000円(前売)3500円(当日)
※1drink制・現金のみ
20250626|ココオト
本日は、滋賀県木ノ本にて。木原鮎子さんが率いる大人合唱団ココオトの皆さんと来週のライブに向けて、音合わせをしました。
朝は安定の雨男を発揮しつつ、土砂降りの中練習場所へ。これまで女性パートだけでしたが、新しく男性パートも増え、音に広がりが出てきました。子供をあやしながら歌ったり、肩の力が抜けていていつも空気が良い。
鮎子さんの合唱団は、選曲がいわゆる一般の合唱曲で扱うものではないことが多く、ピアノ譜自体がなかったり、最近のポップスからトラディショナルなゴスペルまで、一緒に作る楽しさとピアノの自由さがあります。だからこそ、僕の仕事と役割がある、そんな充実感があります。
午後からは、ゴスペルのちょっと難しいリズムの曲を約2時間みっちりやりました。いよいよ来週です〇
▶7/6(日)合唱団「ココオト」10周年記念ライブ
場所:きのもと交遊館(滋賀・湖北)
時間:14:30open 15:00start
料金:入場無料
出演:ココオト - 合唱団 うたごえキッズ - 友情出演 木原鮎子 - 歌唱指導 日吉直行 - ピアノ
20250625|膨らませる
今日は午前中から夕方前まで、ピアノを割とじっくり弾いた。家から練習場所までは約1時間だが、慣れてくるとすぐだ。
着くとすぐに寝起きの指とアタマを起こしながら、エクササイズをこなす。今日は体が少し重たく感じたので、インターバルを短めに約2時間半弾き込む。
休憩後は、課題のある曲を中心に弾きつつ、オリジナル曲やスケッチしていたアナログとデジタルの断片を膨らませる。膨らませ方は遊びながらが基本だが、何の楽器を使うかによって変わる。同じピアノでも空間や調律が変われば、出てくるフレーズや響きが変わる。
例えば、エルメート・パスコアールなんかはフルートやエレピを使ってアイデアを膨らませていたように思うし、トランペットで作曲する人なんかもいる。個人的には、やはりピアノを使うことで自分の身体を透ってきた音とアイデアが出ているように思う。おかげで良い時間になった。
夕方からは、天王寺に移動して教える仕事へ。そして、これから前乗りのため滋賀へ。移動の時間を利用して明日やる曲のイメージを膨らませる。
20250417|ふれる
駅とバスを乗り継いでちょっと離れた場所にあるピアノを弾きに行く。シンプルに弾く量を増やしている最近。学生の時に神戸に来て以来、生のピアノが自宅に無いので、工夫して練習しなければならないのだが、耳の訓練のお陰か出会った人との影響か、音楽の腕を鍛える練習に困ったことはない。しかし、年齢的に落ちるであろう指のコントロール力とキレ、耳との一致感などフィジカル面でのメンテナンスに一層気を配りつつ、欲張りにも積んでいるエンジンのギアをもう1段上げたいと企んでいる。
個人的信条にはなるが、ピアニストならば指でものを考え続けたいと思っている。「悩む暇があるなら動け」という誰が言ったか分からない言葉はどこか言い得て妙で、いまの僕の場合は直近のライブが無いのを良いことに、とにかく手で物事を考えたり解決する時間が、一番楽しい。
そうして定期的に訪れるのが、タッチの見直しだ。スポーツ選手が年齢や経験とともにフォーム改善をするのと同じで、ピアニストにも必要だ。
タッチというのは、単純にピアノの鍵盤に触れることを指すだけではなく、呼吸や拍動を”その先”に送るメッセンジャーのようなもので、「タッチの差」が個性の違いを作る。例えば即興演奏がうまくなるコツのひとつに、ひとのタッチを真似ることがあるのだが、気になるピアニストのタッチから、日常の音や環境音まで真似る教材がたくさん転がっているため、すぐに時間が溶ける。
また、昔演奏した曲を引っ張り出してきて改めて弾いたりすると今の自分が全く違うタッチになったことに驚く。やはり耳と指は繋がっていることを実感する。普段はデジタルデバイスを駆使ししながら制作し、ピアノを弾くときになるとそれらを忘れ去るように、ただひたすら指で思考する。そうやって行ったり来たりしながら腕を磨いていく。もとを辿れば、脳や(どこにあるかはわからないが)心と繋がっているから、タッチが変化するのだろう。
今や手垢がつきすぎている「感動する」という言葉の英訳は、〈touched〉である。なるほど、これからは誰かに演奏を届けるときに、自分と対話するときに、まず初めに心の「ハイタッチ」をしてから臨もうと思う。
20250402|くにさきにて
この2年間、大分県国東市鶴川地区を中心とした地域活性化プロジェクトでプランナーを務めました。地元が宮崎・延岡とはいえ、神戸の方が長くなってしまった僕にとっては、九州の風を感じ直す、とても良い機会になりました。
一般的に神仏融合のまちと評される国東ですが、「本当の国東の魅力はなんだろう」、「魅力ある国東の人たちを知ってもらうために」、そういった想いをアートの力で形にするお仕事でした。アートの力と言っても、お金に物を言わせたり、距離ができがちな作品などではなく、国東に関わる人の生きた手触りというか、温度感のある想いと歴史を込めたものを記録したり、残したりするための、支えと調整でした。
僕が担当した部門目線では、コミュニティラジオの稼働、新しくできた施設の活用・運用といった課題があった中、アーティストの津田三朗さん、山下麻里さんの素晴らしい感性を中心に、2023年は五島昭彦さんにも協力して頂き、市民の皆さんと一緒にいくつかのコンテンツを制作しました。
■オーディオガイド
2023年~2024年にかけて、大分県国東市に伝承されてきたお祭りや民間に伝わる貴重な伝統行事などにスポットライトを当て、「国東を訪れてみたい」と思えるような音体験として、10本のオーディオガイドを制作しました。2年間の録音・取材を経て出来た、オリジナルの文章とナレーション、オリジナルの音と音楽を使った新しいオーディオガイド。ひとたび耳にすると、先人が語り継いできた歴史と現代に生きる私たちの想いとが重なり合う、そんな音が聴こえてきます。
■くにさきトーン
2023年~2025年にかけて、大分県国東市鶴川地区を中心に集まった住民有志の方々と"音と言葉の記録作品"を作りました。国東のよいところやおすすめの場所・音が印象に残る風景などを、自作のナレーションとそれぞれのユニーク過ぎるアプローチで、人と街の大切な記憶として残しています。
■図音館
音で時代を行き来する、音で繋がっていく、ひとたび引き出しを開ければ国東の「面白い」所が聴こえてくる ― 地元に引き継がれていたタンスを利用し、引き出しを開けると国東に住む人々の想いや音が聴こえてくる装置、「図音館」を作りました。SDカードの差し替えだけで内容を更新できる便利さもありながら、手作りのちょっとしたアイデアと技術を込めて作った”遊べる作品”です。
オーディオガイドとくにさきトーンは、YouTubeにて「くにさきトーン」と検索するとお聴き頂けます。また図音館は、大分県国東市鶴川町の観光・交流拠点施設「きとわ」施設内に展示しています。国東というまちに触れ、機会があれば足を運んで頂けたら嬉しいです〇
20250305|ひらかれること
先月15日は、福岡にて西部ガスさん主催のイベントで、アップライトの自動演奏付きピアノでの演奏をしてきました。
今回僕とやりとりをして下さった森永さんとは昨年6月のミリカローデンでのイベントで知り合い、11月に博多南駅で行われたおさがり交換ショップイベントでの即興演奏を見ていただいたことをきっかけに、今回の話に至りました。西部ガスさんのビルがあるパピヨン24というビル周辺の地区は千代町といい、その千代町を活性化する目的も兼ねたイベントということで、講演や子どもワークショップ、食べ物の販売などが行われました。まだ2回目ということで、先を見据えたイベントでもあったので、ピアノをどう使うかという可能性を探る意味でも今回の参加は有意義なものになりました。
森永さんは当日に至るまで、僕がピアニストとしてただ弾くだけでなく音楽家として参加する視点も汲み取ってくださりながら、会社や調律師、管理会社ともいろいろな調整をしてくださいました。森永さんのようなアートの視点を持った人材は貴重で、目線を揃えて挑むことができました。本当にありがとうございました!
その調整の一つとして、「なぜピアノの蓋を開けるのか」をつらつらと説明した文章を送ったりしたのですが、僕はアップライトピアノを弾く際に、いくつかの理由でピアノの蓋を開けています。そもそもピアノを弾く際に「ピアノの蓋を外してはいけない」という決まりはありませんし、ピアノの蓋を開けることにより音が前に飛び、よりダイレクトに生音を感じることができます。また、ピアノを壁とどのくらい離すかと空間の構造との兼ね合いで音の届け方(音響)を作ったりします。
ピアノというのは「複雑な響きを簡単に出すことができる装置」であるため、蓋を開けることによってその仕組みを可視化でき、実はわかっているようでわかっていなかったピアノの魅力に触れる機会やピアニストや調律師の仕事に興味を持ってもらえるきっかけを作ることができます。また、そのピアノとどう付き合っていくかというアイデアも広がる可能性があり、ピアノの蓋を開けることは、管理上の小さなリスク以上に得られるものが多いと書きました。
前に駅ピアノの設置に携わった時もそうなのですが、大抵の場合はそもそも「公共の場でオープンにピアノを使ってもらいたい」という目的で設置しているにも関わらず、ピアノの蓋を開けると「ピアノが傷つく」や「ピアノに埃が入る」、「音がうるさくなるのでは?」といった管理側の論理が飛び交い、何のためのピアノ設置なのかその意図が宙ぶらりんになってしまうといったことがよく起こります。こういった時に那須さんの言う「他人の自由はリスク、自分の自由は負担」といった言葉が頭によぎりますが、管理側からすれば弾き手の自由はリスクになり、弾き手である僕の自由は自己責任ということになります。企画の面白さのためにそのリスク調整と迷惑のバランスをどうとるか、加えて現実的な予算と向き合いながら交渉することは、今の時代に向き合うべき音楽家のタスクになるので、そういう意味でも今回のイベントはとても良い経験になりました。結果的には、森永さんの調整と調律師との対話でうまくおさまることができましたが、ピアノの蓋を開けるということは、ピアノを使ってこういうことをしても良いんだという発想が広がっていくこと・それを楽しむ場作りができて欲しいという願いの表れでもあります。
温泉のようにじわじわと拓かれていく、そうあったらなぁと思います。
また、今回のピアノは自動演奏付きピアノであったので、構造上接近と呼ばれるハンマーと弦の距離関係が通常のピアノと違い、鍵盤の深さも浅かったため、ダイナミクスや表現の幅が制限された状態で演奏しなければならないというハードルがありました。特に生音を表現の主軸においている人間にとっては、機能が半分制限されたハードモードでの演奏になるため、弾き手としてそのピアノで何ができるか、自分へのチャレンジとしても面白いものとして感じることが出来たのは収穫でした。
蛇足になりますが個人的に興味深かったのは、生演奏の合間に演奏される自動演奏ピアノの音を聴いていると、生身の人間の手の先で奏でる「タッチ」が再現されないので、とても平坦すぎる(笑)音の連なりと音楽を聞くことが出来たことでした。「AIにピアノが弾けるのか」について興味がありますし、昔「AIに即興演奏ができるのか」をテーマにしたトークイベントに参加し、その時は「部分的にできる」と話をしたことがありました。例えば、「AIにジャズ演奏は可能か?」という問いがあった場合、どういったジャズ演奏を想定しているかにもよりますが、フレーズのパターン認識と素材の組み合わせ、演奏の流れをいくつかパターン化してある程度の不確実性を残しながらリアクションを「再現」することは可能だと考えます。でも「どうしてその音にしたいのか? / したくないのか? / なってしまったのか?」に至るまでの直観と意志についてはどうだろうか。即興演奏の際の「聴きながら弾く / 弾きながら聴く」感覚についてはどうだろうか。自動演奏ピアノの元音は生身の人間の演奏を録音したものが再現されているはずなので、それがどうしてこうも味気ないものに感じてしまうのだろう?とその過程に想いを馳せることができた、そんな時間でもありました。