【Tour】Naoyuki Hiyoshi Piano Tour 2024 "雨詠"

 

手をかざし一粒目の雨を受け取る
それは これから始まる
雨の 雨の日がもたらす物語のはじまり
そんな予感を手のひらに受け止めること

目をつむり一つ目の音を受け取る
それは これから始まる
音の 音の連なりが紡ぐ音楽のはじまり
そんな気配を心に受け止めること

何かが始まるそのときに
そのときにしか生まれない心のゆらぎを大切に
その場所でその時にその人としか作れない音楽を
作りたいと願い、即興音楽を緒として
各地を巡るプロジェクト「雨詠」。
これは音楽家日吉直行の音楽を巡る思考の旅。

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DAY1:6/9(日)フレンテホールスタジオf(兵庫・西宮)
開場 14:00|開演 15:00 with りおまる(語り)

DAY2:6/15(土)エル・チョクロ(東京・雑司ヶ谷)
開場 14:00|開演 15:00 with 加藤綾子(ヴァイオリン)

DAY3:6/29(土)アイ・ガット・サロン(京都・北大路)
開場 14:00|開演 15:00 with 木原鮎子(うた)

 

【DAY1】
Naoyuki Hiyoshi Piano Tour 2024 “雨詠” at フレンテホールスタジオf(兵庫・西宮)

🚢 音楽
ピアノ:日吉直行
語り:りおまる
ことば:坂口麻衣子
絵:山下麻里
写真:伴智一
録音:五島昭彦
調律:鈴木優子

🕓 日時
開場 14:00|開演 15:00

🎫 料金
①大人チケット:¥3,000(税込)
②学生チケット(小学生~大学生):¥1,500(税込)
③子どもチケット(未就学児):¥500(税込)

🏠 会場
西宮市フレンテホール スタジオf
〒662-0911 西宮市池田町11-1 フレンテ西宮5F

🚃 電車でお越しの方へ
・JR西宮駅:南出口から徒歩1分
・阪神西宮駅:市役所口から徒歩15分

▷ ご予約・お問い合わせ
☎️ 西宮市フレンテホール:0798-32-8660
✉️ 西宮市フレンテホール:info@frentehall.jp

主催:瞑奏録音・西宮市フレンテホール(指定管理者:日本管財・文化律灘・HA2B共同事業体) 
共催:西宮市

 

【DAY2】
Naoyuki Hiyoshi Piano Tour 2024 “雨詠” at エル・チョクロ(東京・雑司ヶ谷)

🚢 音楽
ピアノ:日吉直行
ヴァイオリン:加藤綾子
ことば:坂口麻衣子
絵:山下麻里

🕓 日時
開場 14:00|開演 15:00

🎫 料金
①大人チケット:¥3,000(税込)
<若い耳割引>
②学生:¥1,500(税込)
③小中学生:¥1,000(税込)
※就学児未満のお子様はご入場いただけません。

🏠 会場
雑司が谷『エル・チョクロ』
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-2-8

🚃 電車でお越しの方へ
・東京メトロ 副都心線「雑司が谷」駅で下車、1番出口を出て右 (大塚/池袋方向) へ150m、踏み切りを渡り、大鳥神社の右側 / ファミリー・マートの先の脇道を右に入り三軒目、水色の扉が目印です。(1番出口を出てから、徒歩3〜4分)
・都電荒川線「鬼子母神前」駅下車、大塚方向へ、上記1番出口前を通り、同様に。(徒歩3〜4 分)

▷ ご予約・お問い合わせ
☎️ エルチョクロ:090-7739-0777(スタンバイ:080-7955-0333)
✉ エルチョクロ:info@el-choclo.com

主催:瞑奏録音


【DAY3】
Naoyuki Hiyoshi Piano Tour 2024 “雨詠” at アイガットサロン(京都・北大路)

🚢 音楽
ピアノ:日吉直行
歌:木原鮎子
ことば:坂口麻衣子
絵:山下麻里
写真:伴智一
録音:五島昭彦
調律:鈴木優子

🕓 日時
開場 14:00|開演 15:00

🎫 料金
①大人チケット:¥3,000(税込)
②学生チケット(小学生~大学生):¥1,500(税込)
③子供チケット(未就学児):¥500(税込)

🏠 会場
アイガットサロン京都
〒603-8142 京都市北区小山北上総町40-2アイビルディング3F

🚃 電車でお越しの方へ
地下鉄烏丸線「北大路駅」下車徒歩2分

▷ ご予約・お問い合わせ
☎️ アイガットサロン:090-7359-4585
✉️ アイガットサロン:musica@kyoto-advisory.co.jp

主催:京都音楽芸術アドバイザリー、瞑奏録音

 

【関わる人びと】
日吉 直行(ひよし なおゆき)- 音楽家
ピアノから紡がれる枠に囚われない自由な発想と音遣いは、即興と作曲の境目を漂いながら、ご縁のある各地で ”ありそうでなかった音楽” を奏でる。
1986年、宮崎県延岡市生まれ。兵庫県神戸市在住。高校時代から音楽活動を始め、大学時代は音楽哲学や現代音楽などを学び、即興・ジャズの歴史について研究した。大学院卒業後、谷川賢作(音楽家)氏の後押しのもと、本格的に音楽活動を始める。
これまでに様々な編成・アーティストと共に数多くの企画を主催してきており、奏でるだけでなく、作ったり整えたり録ったりして音楽に関わっている。これまでに、ジャズフェスティバル・テレビ・ラジオへの出演、ニュース番組のテーマ曲・映像音楽・ラジオジングルなどの制作、ジャンルを超えた表現者との共作を通じて、8枚のオリジナルアルバムをリリース、配信作品を5タイトル発表。
活動初期から音楽の可能性を広げる企画や作品作りに注力し続けており、音楽哲学の対談やまちづくりプロジェクトへの参加、ワークショップの主催、大学での講師など指先の向こう側で歴史や想いを読み解く活動を展開。また、3歳〜86歳までの子どもから大人まで関わり合いながら、距離が生まれがちな文化・芸術が身近になる場をつくるべく様々な現場に立つ。

那須 耕介(なす こうすけ)- 法哲学者
このプロジェクトのはじまりの人でもあり、日吉とは言葉や想いのセッションを幾度も交わす。「国」や「法」といった巨大なテーマに立ち向かい、多くの人を導く言葉を奏でる一方で、ひとりの人間として音楽と付き合い、"うた"に向き合ってきた言葉の数々は、いまも僕らの中に生き続けている。

伴 智一(ばん ともかず)- 記録写真家
「人」と「もの」、光と影の気配を撮る写真家。1977年6月8日生まれ、兵庫県西宮市の沿岸線沿いの街で育つ。大学進学とともに京都市の左京区へ。しばらく写真とは距離をとっていたが、近年はふたたび写真と関わっている。音に通じる写真家で、那須耕介さんと日吉の3人で音楽について語りあったことがはじまり。

りおまる - 朗読
「ことば」と「ものがたり」に向き合い、”こども”という枠にとらわれず作品を生み出すアーティスト。溢れるその才能から、舞台に主役として出演経験がある。日吉とは、「hoshibune」というユニットで共演しており、朗読を担当した。

加藤 綾子(かとう あやこ)- violin
洗足学園音楽大学および同大学院弦楽器コースを首席卒業(修了)し、ベルギー・ナミュールの音楽院「IMEP」修士演奏家課程を学年最高得点にて修了。クラシックや現代音楽、即興など幅広いシーンで活動しながら、リサイタルなどの自主公演を行う。2023年開催のソロ・リサイタル〈百鬼夜行〉では、演奏曲目のミュージック・ビデオをみずから演出・制作した。日吉とは、今回初共演となる。

木原 鮎子(きはら あゆこ)- vocal
新潟県の雪深い山育ち。6人きょうだいの5番目。滋賀県の湖北・余呉で田舎暮らしをしながら、3人の男の子の母としてパワフルに活動するヴォーカリスト。主にジャズのフィールドで活躍しつつも、イベント企画や子どもから大人までが参加する合唱団を指導するなど、その活動の幅は広い。澄み切ったのびやかさとスケールの大きさが同居する歌声に加え、ジャンルの枠に収まらない感性で「うた」を表現する。

坂口 麻衣子(さかぐち まいこ)- ことば
「ことば」と「物語」に向き合う、肩書きのない人。1983年生まれ、福岡出身。 九州大学芸術工学部を卒業後は、イベントの企画制作会社に就職。現在は、九州のまちづくりの仕事に携わりながら、子どもたちと創作活動を展開している。日吉とはニューヨークで知り合い、過去にも共作をしている。

山下 麻里(やました まり) - design
柔軟な発想で愉快なデザインと空気を生み出すアーティスト。ブックデザインや空間デザインのほか、絵本や子どもの本の出版活動、絵本作家とともにイベント企画・デザインも行う。音楽やアートに対する感性がすばらしく、日吉とは深い対話を通して、様々な企画やプロジェクトで共作している。

鈴木 優子(すずき ゆうこ)- 調律師
ピアノと調律、奏でることと聴くことの間に架け橋を作る人。ピアノの内なる声に耳を傾け、常にピアノと人に向き合う姿勢は、調律師という肩書では測りきれない。これまでに数々のアーティストや音楽と対話し、日吉・五島とは、10年以上の仕事仲間である。

五島 昭彦(ごとう あきひこ)- recording
「録音技師」のものさしでは測りきれない人。新しい音楽を求め続け、「五島の家からは宇宙の音がする」と評された過去を持つ。これまでに数々のアーティストと様々な作品を手掛け、人と音場と対話しながら、常に想像を越えるべく音を録る。日吉・鈴木とは、10年以上の仕事仲間である。

20240415|近況です。

長らく更新ができていなかったブログやSNS。溜まりすぎて、やっと書き出す時間が取れました。

■整理の時間
昨年から終えていないことがたくさんあり、整理の時間はしばらく続きそうです。しかし、創作や制作と並行しているため、作品も徐々に発表していきます。

■国東「ひとむすび」
昨年秋ごろから、大分県・国東のまちづくりプロジェクトに音楽家として関わらせて頂いてます。昨年10月と12月、今年1月と2月に2回訪問しました。
福岡をはじめとする九州の素晴らしいメンバーが集まったチームで、刺激と様々な出会いがある中、制作と経験と調整と言葉を磨く良い機会になっています。f:id:naoyuki0730:20240415180844j:imagef:id:naoyuki0730:20240415180858j:imagef:id:naoyuki0730:20240415180917j:image
音楽は人前で演奏したり、作ったりするだけでなく、人と人との間に、自分と自分の間に立ち上がるものです。街の人の出会いを通して、様々な思いを受け取ったり、一緒につくったり、微力ながら音楽で街づくりに貢献できることを見つけていくのが楽しさの一つです。f:id:naoyuki0730:20240415180810j:imagef:id:naoyuki0730:20240415180737j:image
オーディオガイドをつくったり、ラジオのお手伝いやジングルをつくったり、津田さん・まりさんによる敏腕制作チームとの共同作品をつくったり、ワークショップをしたり、祭りやお経の音を録りまくったりしました。来年はさらに踏み込んでいきたいところです。

■即興ワークショップ「だからこそ、きく。」
月一神戸で即興ワークショップを主宰して、11回目を終えました。録音や編集という概念と即興の感覚を組み合わせたり、絵を音楽にすることもあれば、言葉で音楽を作ったりすることもありました。そういったプロセスを重ねてきて、参加者の皆さんとつくる、その場でしかできない音楽は毎回楽しさと発見があり、少しずつ「自由への扉」を開け始めたように思います。来月はみんなでレコーディングにも挑戦し、来年はリニューアル予定も控えているため、さらに充実していきそうです。f:id:naoyuki0730:20240415180635j:imagef:id:naoyuki0730:20240415180641j:imagef:id:naoyuki0730:20240415180651j:imagef:id:naoyuki0730:20240415180700j:imagef:id:naoyuki0730:20240415180717j:image

■今後の予定
4月もすでに半ばですが、4/24・25と福岡にいます。4/26からは宮崎にいて、そのあと東京や長野に行くかも。5月6月は、レコーディングを2つほどし、水面下で準備してきたPiano Tourが始まります(今週公開予定です)。7月は鮎子さんの合唱団との共演、8月は合唱団「はもーるKOBE」さんとの共演と続いていきます。その間、たくさんの制作やワークショップも企画していますので、またお知らせなどしたいと思います。

20240117|音楽の編集力を鍛える、余波舎

◽️ 音楽の編集力を鍛える

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先週日曜は、毎月神戸で主宰している講座&WS「だからこそ、きく。」の9回目でした。今回のテーマは「編集」について。僕らが音楽を奏でる際に必要とされる感覚のひとつに編集力があります。音をどう切り取り、どうやって繋げ、形にするか。動画編集や音源編集などが身近になったこの頃だからこそいつの間にか磨かれている能力でもあり、それは音楽にも同じようにあります。前回は音をどう録るかについてでしたが、気配のある音を録音して、それを作品にしていく過程も体感しました。その感覚を元にコラージュやサンプリングの話をしつつ、即興演奏における編集の要素を色々眺めていきました。その後の音を出すワークショップでは、ミニマル・ミュージックを利用した集団即興をしながら、即興の細かなやり取りや聴きどころ、表現力などを磨いていきました○
10回目のテーマは、「描く」。実際にいくつかの絵を見ながら、その絵を音にしていく力(音楽で無いものを音にする力)を養います。
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2024.2.4.sun. ワークショップ&講座 『だからこそ、きく。』 in Kobe #10:描く
🕐 日時|13:00~16:00
🏢 会場|100BAN STUDIO 406号室
🔗 詳細|

◽️余波舎

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日曜夜は京都へ。写真家の伴さんと今年12月にopenしたばかりの本屋さん「余波舎」へ行ってきました。ここの店主の湯ノ上くんは、お世話になっている一乗寺の本屋さん「けいぶん社」の前店長。今年新たに西陣で出店され、古本と新刊の2本軸で選書しています。奥様は香港の方だったりして、ちょうど台湾やインドネシアの話にもなり、とても盛り上がりました。近年僕がアジアを眺めている理由のひとつが、そこにある新しい音楽の気配と土壌や繋がる人のエネルギーと感性です。サッカーファンの僕としてはアジアカップとも重なっているため、ここ数ヶ月で色々と整理されたり、進んで行く良い時間になりそうです。
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🔗 詳細
余波舎 / NAGORO BOOKS
京都府京都市上京区前之町443,2F

【2024.2.4.sun. 】ワークショップ&講座 『だからこそ、きく。』 in Kobe #10:描く

2024.2.4.sun.
ワークショップ&講座 『だからこそ、きく。』 in Kobe #10:描く

#10のテーマは、「描く」。実際にいくつかの絵を見ながら、その絵を音にしていく力(音楽で無いものを音にする力)を養います。

🌎 音の生きた体験
この企画は、耳の経験値を高めるためのワークショップ&講座です。音を扱う時により自由になったり、耳を通して音と身体が繋がる感覚をアップデートするために、様々な角度から音へのアプローチを行います。テクニックとして即興を扱うことが多いですが、即興ができる・できない、楽譜が読める・読めないは全く問題ありません。ちょっと即興のアイデアを使うだけなので、既成曲であろうがオリジナル曲であろうが、ジャズスタイルであろうが、全くのフリースタイルでも構わないので、楽器やジャンルの制限もありません。人前で演奏したり教えたりするけど行き詰まってしまった方、単純に音の扱い方を深めたい方、また音楽以外のジャンルの方も大歓迎です。音を「きく」ことでひらかれる世界を一緒に探求していきましょう。

🥅 目標
この講座では、即興や"きく"ことに纏わる考え方やアイデア、ちょっとした理論などを扱いながら、あるテーマを深掘りしていきます。そして最後には、作品づくり(演奏など)を発表する所までを目標にしています。その際、「教える - 教えられる」というヒエラルキーを作らないようにするため、僕も参加者の方々と同じように作品作りに参加していきます。

👨‍👨‍👧‍👦 対象
大人から子どもまで(音楽経験問わず・ご興味のある方なら誰でも)

✏️ 持ち物
・自分の使いたい楽器(ピアノはあります)
・筆記用具や楽譜、メモ、スマホ・タブレットなど適宜必要な物

🕐 日時
2023年2月4日(日)13:00~16:00

🏢 会場
100BAN STUDIO 406号室
〒650-0033
神戸市中央区江戸町100番地高砂ビル406号室
[アクセス]
三宮駅(JR・阪急・阪神)から徒歩7分

🎫 料金
一般:4000円 学生:2000円

✉️ ご予約・お問い合わせ
meisourecord@gmail.com(瞑奏録音)

主催・企画:瞑奏録音

20240108|年末のレコーディング、はじまり

◽️年末のレコーディング
12/30、滋賀の安田さんの自宅スタジオでピアノソロのレコーディングをしました。当初は、大分・国東を12月中旬に訪問した際のイメージを持って即興演奏の録音をひとりで気軽にするつもりでしたが、前日に何となく良いイメージが湧いてきたので急遽五島さんを捕まえて、臨みました。お陰様でとても良いレコーディングができました○
◽️全編即興、1テイクの一発録り
今回はひとことメモを元に、「自分の聴きたいアルバム」をその場で作るように、即興演奏をしていきました。1曲目っぽい即興とか、じゃあ2曲目はこんな感じで、最後のテイクはこうとかをその場で決めながら。蓋を開けてみれば、30分ほどで終わってしまいましたが、全然やり直す気も起こらず、タイトルもその場で決まっていくくらい順調でした。
◽️アイデアの出てくるピアノ
ここのピアノはニューヨークスタンウェイ。そのタッチの深さは約8mmほどで、10〜12mmが好みの僕にとっては浅く感じてしまうのですが、タッチだけで全てが決まる訳ではなく、アクションの反応や調律の仕方などとの連動で音楽的な要素が決まっていきます。
10月以来調律はされていないので、厳格にピッチが合っている調律ではないのですが、低音から高音まで納得感のある仕上げになっていて、加えて個人的に欲しいザラザラ感もあり、音楽的に楽しさのあるピアノでした。
弾き込んでいくうちに「鳴らし方」がわかってきて、ピアノから出てくるフレーズや響きへのチャレンジが溢れていきました。特に即興演奏の場合は、このアイデアが出てくるピアノかどうかがかなり重要なポイントです。
◽️今年のはじまり
年始は実家の宮崎で過ごしました。非常に暖かくて、太陽の有り難さを感じる冬でした。一方で全国的には災害もありました。対岸の火事ではない、明日は我が身です。気を引き締めると同時に、より一層音楽家の領域を広げていく仕事をしていきたいと思います。

20231221|国東と余呉

◽️くにさき
今年秋くらいから、大分・国東のまちづくりのプロジェクトに参加しています。音楽家という立場から「まち」が自走していくお手伝いをさせて頂いていて、様々な分野のプロジェクトメンバーに刺激を受けながら、街の人との対話を通して一緒に作っています。その場しのぎでない持続的な取り組みになるために、音で支えるために、どんなアイデアが必要か日々向き合っています。
先週から今週あたまにかけて、地元の方主導でつくるラジオ番組のジングルを作ったり、雪の降るなか国東の山へ登ったり、七島藺(しちとうい)を使った工芸品を制作したり、地域協議会に参加させて頂いたりと朝から夜までみっちりのスケジュールをこなしながら、充実した訪問を終えました。
◽️子どものクリスマスコンサート
翌日、少しアクシデントがありながらも大分から始発で余呉へ。歌い手の木原鮎子さんと一緒に子ども園で演奏してきました。3〜5歳児を対象としたクリスマスコンサートで、こども園のスタッフさんも皆さん良い方ばかりで、子どもたちも自由で楽しそうな空間。
いつも心掛けているのは、演者が子供や大人の機嫌を取るパフォーマンスをするのではなく、僕らが子供たちや幼稚園のスタッフさんを巻き込みながら「ここまでやっていいんだ」と思わせる仕事をすること。
そうなれば良いなぁと思いながら参加しましたが、始まってみればテンションの上がり切った子どもたちと盛り上がりました。演奏中に入ってくる子どもたちは拒否せずに一緒に即興でセッションしたり、静かになる場面では音楽の力で静かな空気を作ったり、最後なんかはもみくちゃになりながら終えました。楽しかった〜。

【2023.12.10.sun. 】ワークショップ&講座 『だからこそ、きく。』 in Kobe #8:気配

2023.12.10.sun.
 ワークショップ&講座 『だからこそ、きく。』 in Kobe #8:気配

#8のテーマは、「気配」。日常生活で、僕らはあらゆる音に囲まれていますが、それらの音を「音楽」だと感じる境界線はどこなのでしょうか?また、"気配"を携えた音というものにも焦点を当て、それらに関するディベートやワークショップを通して、音楽でないものを音楽にする力を養います。

🌎 音の生きた体験
この企画は、耳の経験値を高めるためのワークショップ&講座です。音を扱う時により自由になったり、耳を通して音と身体が繋がる感覚をアップデートするために、様々な角度から音へのアプローチを行います。テクニックとして即興を扱うことが多いですが、即興ができる・できない、楽譜が読める・読めないは全く問題ありません。ちょっと即興のアイデアを使うだけなので、既成曲であろうがオリジナル曲であろうが、ジャズスタイルであろうが、全くのフリースタイルでも構わないので、楽器やジャンルの制限もありません。人前で演奏したり教えたりするけど行き詰まってしまった方、単純に音の扱い方を深めたい方、また音楽以外のジャンルの方も大歓迎です。音を「きく」ことでひらかれる世界を一緒に探求していきましょう。

🥅 目標
この講座では、即興や"きく"ことに纏わる考え方やアイデア、ちょっとした理論などを扱いながら、あるテーマを深掘りしていきます。そして最後には、作品づくり(演奏など)を発表する所までを目標にしています。その際、「教える - 教えられる」というヒエラルキーを作らないようにするため、僕も参加者の方々と同じように作品作りに参加していきます。

👨‍👨‍👧‍👦 対象
大人から子どもまで(音楽経験問わず・ご興味のある方なら誰でも)

✏️ 持ち物
・自分の使いたい楽器(ピアノはあります)
・筆記用具や楽譜、メモ、スマホ・タブレットなど適宜必要な物

🕐 日時
2023年12月10日(日)14:00~17:00

🏢 会場
100BAN STUDIO 406号室
〒650-0033
神戸市中央区江戸町100番地高砂ビル406号室
[アクセス]
三宮駅(JR・阪急・阪神)から徒歩7分

🎫 料金
一般:4000円 学生:2000円

✉️ ご予約・お問い合わせ
meisourecord@gmail.com(瞑奏録音)

主催・企画:瞑奏録音

📢 混声合唱曲の編曲をしました&台湾へ行ってきます

今週末から来週水曜日まで、台湾へ行ってきます!

今年3月に交流させて頂いた心築愛楽合唱団さんのクリスマスチャリティコンサートが12/3に新竹市文化局舞台芸術ホールで予定されており、日本から指揮者 平林陽さんと六甲男声合唱団・はもーるKOBEさんからの有志数名と一緒に、1ステージ演奏してきます。f:id:naoyuki0730:20231129170119j:image指揮者の張先生やピアニストの彭さんのほか、新竹市立民富小学校合唱団さん、ボヨ・ナフイ児童合唱団さん、新竹市立小学校リコーダー・アンサンブルさんなど、子供から大人まで参加されるようなので、楽しみです○

僕らは日本の友人枠として参加するのですが、個人的にピアノ演奏だけでは物足りないので、折角ならということで、このステージに向けて秋から音楽活動と並行して、混声四部の合唱曲編曲もしました。

普段は即興演奏が前提の作曲ばかりしているので、メロディ声部をどうしても気分によって変えたくなるのですが、そこは固定させて音域や四声のルールに向き合ってみました。ちなみにピアノパートは即興なので、9割くらい音符には書いていません。

とはいえ、これまでライブなどで演奏してきた個人的な選曲なので、合唱っぽいアレンジをするのではなく、「"うた"に向き合う合唱」というテーマにチャレンジしてみました○

今回初の合唱作品になったものばかりで、今後色々なところで演奏されるといいな~と思っています!

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①火の鳥(詞:谷川俊太郎 / 曲:ミシェル・ルグラン)

ミシェル・ルグランが1978年公開の「火の鳥」(市川崑監督)のテーマ曲として作曲。今回、谷川賢作さんの許可を頂いて、初の合唱アレンジになりました。元メロディの音と音の間にストーリーがあるので、合唱編曲するとよく馴染む感覚がありました。名曲です。

②月亮代表我的心(詞:孫儀 / 曲:湯尼)
ついこの前まで台湾に行っていたベーシスト小美濃悠太くんが持ってきた曲で、個人的に初めて台湾に触れた曲。テレサテンさんが歌っているのがあまりにも有名ですが、合唱アレンジとしても50以上あるそうです。もともとしっとりと歌う4拍子の曲のイメージが強いのですが、小美濃くんとの初セッションの時に3拍子が思ったよりもはまったので、最初は3拍子から始めています。3/4→12/8→4/4と変化していく流れの中に、ガムランの空気を混ぜて、最後は変にいじらずにメロディのエネルギーそのままに、力強く終えます。

③Hark! The Herald Angels Sing(詞・曲:DAVID T. CLYDESDALE, CHARLES WESLEY, FELIX MENDELSSOHN)
実は、メンデルスゾーン作曲のメロディだったりするクリスマス・キャロル。日本語タイトルは「天(あめ)には栄え」。個人的には、hoshibuneの木原鮎子さんと始めて演奏した時のアレンジが元になっていて、原曲とはエネルギーの方向性がかなり違います。アレンジの特徴としては、真ん中部分でテンポが落ちてコラール四声アレンジをしていたり、後半部分は鮎子さんがソロをとった部分を逆に譜面化したメロディを重ねたりしています。

④Down to the River to Pray(Traditional American Song)
「Down in the River to Pray」とも呼ばれる黒人霊歌の美しい曲ですが、アレンジでは祈りを深めていく気分を込めています。もとのシンプルな16小節を、ユニゾンや2声・3声への分離、半音でぶつかる声部、2小節ごとに転調を繰り返すメロディなどを駆使して編曲していたら、割と大作に仕上がりました。また他の楽器が入るイメージもあるので、今後はさらに長くしていく予定です。

※今回の演奏会では、上記の①~③と信長貴富さん編曲の「川の流れのように」を演奏します。

20231128|星を投げる人 DAY2

星を投げる人、DAY2。
足を運んでくださった方々、気にかけてくださった方々、ありがとうございました。おかげさまで無事に終えることができました。f:id:naoyuki0730:20231128165957j:image桜の庄兵衛さんの音空間は、ピアノをひとたび鳴らせば、後ろの方までダイレクトに音が飛んでいく、そんな響きをしています。f:id:naoyuki0730:20231128170605j:image昨年の秋ツアーから約1年、編成もウロチョロしながら試してきましたが、ここ最近はデュオとして音の密度が高まった形で演奏できたように思います。「企て」は遠いところに放り投げて、出てくる音を許していくような、音を一つ一つ置いていくような心持ちで臨めている感じ。それをライブで磨いている気がします。f:id:naoyuki0730:20231128170312j:imageそこに、りおまるの朗読が入った今回のライブは、とても良かったなぁと感じます。りおまるは、若干9歳。出会ったときは、8歳だったのかな。ファーストコンタクトで言葉や音に対する感度、大人へのまなざし、いろんな部分で「一緒に作品をつくりたい」と思わせる才能がありました。1年ほどの時間を経て少し大人になっていましたが、始まってしまえば一人のアーティスト。彼女はもともと言葉と言葉の間にストーリーがある文章を読むことが大好きなので、言葉の表現力や声のトーンなどは殆ど彼女任せでしたが、見事にやり遂げました○f:id:naoyuki0730:20231128170336j:imagef:id:naoyuki0730:20231128170034j:imagef:id:naoyuki0730:20231128170037j:imagef:id:naoyuki0730:20231128170045j:image擦り合わせが必要だったのは、即興の感覚の部分。曲順が決まってるとはいえ僕らは曲間でも即興をするので、少なくとも彼女は音を聴きながら同時に言葉を出す必要があります。そのためには、「自分の感性を信じること」と「間の感覚」が重要になるのですが、「ここは3回深呼吸をしよう」といったように、呼吸を一つの単位として使うことで、より彼女にとってきっかけをつかみやすくなったのは発見でした○f:id:naoyuki0730:20231128170128j:image実際のライブでは、りおまるは「言葉を話す=音を出す」という感覚を前から知っていたんだろうと思う場面が多くて、僕らが引っ張るのではなく彼女の手の上で僕らが転がっているような感覚さえ覚えました。f:id:naoyuki0730:20231128170111j:image最近は子供に関わるプロジェクトが多いので、一緒に演奏する・作品を作るという場面において、いかに「子供」や「小学生」といったレッテルが不必要か、感じさせてくれます。そのたびにアリエスの【大人が作りだす<子供>】のことを思い出しますが、もともと子供に対しても大人に対してもフェア(本気)であることがクリエイティブな姿勢として大事なのは語るまでもないので、細かいことなんか忘れてライブという場で一緒に共演できて、とても楽しかったです。次もヨロシクネ!

見届けてくださったりおまるのご家族様にも、改めて御礼を申し上げます。

hoshibuneは、制作や演奏にひときわ想いと手間や人手(ヒトデ)をかけているプロジェクトです。来年は、少し背伸びして色々な人のもとへ、大きく届けていきたいと思います。f:id:naoyuki0730:20231128170159j:image🚢 hoshibune
冬のピアニスト:日吉直行 - piano
 "ぼく"の歌い手:木原鮎子 - vocal
星投人:りおまる - rodoku
空氣トレイラー:山下麻里 - design
タイムマシンの録音技師:五島昭彦 - recording
冬のカメラ:伴智一 - photograph
うたいびと:那須耕介 - 哲学者
乗舟員 - sound crew