20221013|こどもとおとな

今日は滋賀県高島市に行って参りました。

高島市の地域子育て支援センターさんとたかしま結びと育ちの応援団さんの合同講座で、hoshibuneの木原鮎子さんと一緒に演奏してきました。

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◾️前のめりに音楽に触れる

0〜3歳児とその親御さんを対象にしたコンサートだったのですが、どう聴こえたら魅力的かなぁと考えるところから出発して、折角ならこの場を子供も大人も「前のめり」に音楽に触れる機会にしたいと思っていました。

予想外だったのは、ほとんどの親子が60分通して飽きることなく最後まで聴いていて、促すことなく自然と手拍子が出たり、子どもから拍手してくれたりと、すごく積極的に自発的に音楽に参加してくれたことでした。もちろん演奏中好きにしていいよと話はしましたが、思った以上に耳を傾けてくれました○

◾️大人の作る「こども音楽」

えてして〈こどものための〉コンサートは、0〜3歳という年齢に囚われてしまうと、企画側も聴き手側も勝手に「こどもっぽい音楽を演奏しなければならない」というイメージを作ってしまいがちになったり、感動を予め作るようなコンサートに陥りやすくなります。

そもそも「こどもっぽい音楽」というのはあるのでしょうか?それは、こども自身が決めたものではなく、大人が「こうあってほしい」という子供の姿をそこに投影しているだけであったりするのではないか?と思うことがあります(一方でそうでもないと思うこともあります)。

この度にアリエスの『こどもの誕生』を思い出しますが、実は僕らの演奏はこどもに筒抜けで、気合いが入っていなかったら「つまらない」態度や表情になるし、本気でぶつかった音に対して「真剣に」聴いたりします。

◾️音の力を信じきること

また演者側の話としては、こういう企画において、曲のチョイスにも演奏にも「hoshibuneの音」をどう盛り込むかというテーマがあります。まだ結成して間もないユニットではあるので、これから時間も経験値も必要な部分だと思うのですが、ツアーの最中に経験できたのも良かったなと感じています。

先日の学校公演でもそうでしたが、こどもは大人以上に音楽をわかっていますし、何より音に敏感です。すると僕らはライブと同じくらいかそれ以上に音楽と向き合って演奏しますし、学校や組織という仕組みの中で自由に振る舞ってみせることで、「ルールの先があるんだよ」と仄めかしたりします。これは音楽家の仕事のひとつで、「ルールを守ることと破ること」を同時に考えさせる話でもあったりします。

そして、どんなジャンルの音楽であれ、知ってる曲・知らない曲であれ、音に触れる体感と喜びを真っ先に受け止めてもらえるような"響く音"を、僕ら音楽家が出せるか。日々磨いていこうと改めて思いました😌