20210609|上手小学校での演奏

◾️今週あたまから鹿児島へ

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元々延長宣言が出る前に決まっていたお仕事だったのでこの時期になりましたが、僕自身は"今のところ"大丈夫です。やはりコロナの影響で半分以上が中止・延期となり、今回は上手小学校の一校だけ演奏することができました。

全校生徒34名ほどの小さな学校。普段からなかなか生の音楽を聴く機会が無い環境な上に、コロナも相まって大方の行事がめっきり減っています。そんな中でも意図を汲んでGOを出して下さった関係者の皆様方、ありがとうございます。

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◾️学校公演での試み

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こういう学校公演は、演者も聴き手もある種の紋切り型というか、馴れ合いを受け入れてしまっている気がしていて、そこに学校の外からやってくる刺激と出会うことで、学校での音楽の関わり方をジワリジワリと変えていくチャンスだと思っています。このジワリジワリと外からの刺激が学校と言う枠を考え直すきっかけになると思うと同時に、音楽家としてどうしたらおもしろくなるだろう?ということをいつも考えさせられます。

今回も徳田さんとのペアで、それぞれの持ち楽器を使ってスタート。徳田さんはリコーダーの紹介と使い方をいつも丁寧にされるのですが、あの手強い小学1・2年生たちにもわかる言葉で、彼らを手玉に取りながら鮮やかな進めっぷり。鹿児島やインドネシアでのスーパーティーチャーとしての経験はもちろん、退職後に学校を出てから得た色々な経験が多くのものをもたらしているなとも感じます。

僕は即興で音空間をつくったり、茶々入れて空気をゆるめながら徳田さんのサポートをしたり、今回はピアノの響きがどうやって伝わるかの話をしながら、ピアノの下に潜り込んで聴いてもらったり(うるさかったらしい)、全員寝転がってもらってイメージしながら曲を感じてもらったり(寝てもいいよと伝えてます)するなど、新しいチャレンジもしてみました。

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◾️普段着を着て、広い世界を見せる

一貫して大切にしているのは、ルールの多い学校の中でなるべく囚われないこと、ステージでハッピー(色んな意味の楽しさ)になることだけを考えること、そして、それを子供と同じ目線で見せることです。

僕の先生である若尾先生の言葉を借りるなら、『普段着の音楽』を見せることが僕らの仕事だと思っています。古臭くなってしまった「きちんとした姿勢で聴くこと」や「静かにして聴かなければならない」といったルールと戦いながら、それを極力安心して壊していく。音楽の聴き方に「いつも肩肘はっていたら疲れちゃうでしょ、実は遊んでるだけやで」というユルさを大事にしたものもあると知るだけで、もしかすると世界が変わるかもしれない。

一方でクラシックを聴く時のような『よそゆきの音楽』の聴き方もあるんだよ、じゃあそういうときに、実はバッハって音楽家じゃなくて宗教家だったんだよ、モーツァルトは全然売れなくてバイトで酷い目にあったんだよと言うような、何を考えて聴いたら楽しくなるかのヒントを与えながら、これはたくさんある聴き方の一つなんだ、という大きな世界を見せることが僕らの仕事のひとつです○