20201118|神戸大学での授業

月曜日に大田先生の担当されている音楽文化史という授業でゲスト講師として授業を担当させて頂きました。

母校である神戸大学で授業をするというお話は昨年から頂いていたのですが、コロナ禍によるリモート授業の中で担当できるのかどうか直前まで分からず、逆にこういう機会だからこそできる話やチャレンジがあるかもしれないと思い、折角なので100BANホールさんをお借りして授業に臨ませて頂きました。

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授業のテーマは「歴史の対流」。歴史というとお堅く重々しいイメージがあるかもしれませんが、実は今生きている実感の先に歴史を感じられたり、過去の歴史を学んだり受け継ぐことによって、この世界を生き抜く為のヒントを得られたりする、目には見えないけれど、とても身近な存在であったりします。

西洋音楽中心の歴史記述になりがちな音楽の歴史において、ジャズや即興という、ある意味でならず者のように扱われてきた歴史は、今や重要なファクターのひとつとしてその役割を果たしています。

特に個人と歴史の関わり方として、僕自身の音楽との出会いから始まり、クロノロジカルではない歴史の捉え方を基本姿勢にしながら、ジャズの歴史を「速度」というキーワードで考察してみたり、楽譜と創造の問題や即興についての考察など、盛り沢山な内容になってしまいました。

話したいことがありすぎて、最後の方は駆け足になりましたが、授業後の話や受講生から頂いたフィードバックコメントを見てみると、しっかり自分のものにしていることが分かる感想や鋭い質問などもあり、刺激を受けるということはこういうことなんだなぁと実感しました。また、受験生であった子たちが今は大学生となりこの授業を受けていたこと、顔見知りの方もいて嬉しい時間ともなりました。

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このような形で母校に戻ることができたことがとても嬉しいですし、これからの励みにもなり背筋が伸びます。そして、先生と一緒にお仕事をできたことの喜びを感じながら、音楽に携わる仕事がいかに魅力的で重要な仕事であるのかということも伝えていきたいと思います○