レコーディング in 鹿児島②

徳田さんのリコーダーと言えばまずはその音色の豊かさにあるんですが、細かいところでのブレスやピッチのコントロールなど、リコーダーという一見簡単そうな楽器の実は難しいところを見事に表現されます。でも1番はその豊かな音楽の感受性にあります。それが音に表れているところがとても好きなところです。

枠に囚われない考えと底無しのバイタリティにはいつも驚かされますが、アートに対する考えや音楽にかける熱意を深いところで共有している実感があります。

出会って以来、様々な会話も交わしてきました。
音楽を学ぶことについての話をしたり、一緒に音を重ねたりしてきました。親と子供ほどの年齢差がある中でも同志として接して下さることは貴重すぎる交流です。今回のアルバム制作には、積み重なった信頼と空気をたっぷり詰め込みたいと思っています。

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ここからは個人的な話です。
僕は普段オリジナル曲を演奏していますが、このユニットの時は音楽の時間に扱われるようなジブリの曲や往年のポップス、童謡や民謡を弾いています。これらの曲には王道になってきたようなピアノプレイがあるんですが、それを感覚的に僕なりの即興演奏をしながら向き合っています。

それは体調や思考とも繋がっていて日々変化していくものですが、プレイするたびにその曲のコアにピントが合っていく感覚があります。特にそのスパンが年々短くなっていくのをここ数年感じています。

レコーディングの休憩中に調律師の後野さんから、「音に浸かっているみたいで気持ちいい」と言葉を頂きました。まさに自分のプレイ中の感覚でもあり、それが聴き手にも一致してきたことで自分の成長を感じられる瞬間でもありました。

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そんな気持ちを抱えながら、五島さんや後野さんのような音楽の技術者たちと仕事をすることによってお互いの腕が磨かれていくと同時に、感性で仕事をする特権というかご褒美になるのは、作品を作り上げるこの豊かさと幸せをたくさん受け取ることができることです。これは何にも替え難い、自分へのプレゼントとしても、いつも感謝しながら受け取っています。

そして次は色んな方への贈り物として、今回のアルバムを完成させること。夏頃にお届けできたらと思います○